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ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編100

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2017年 5月20日(土)17時12分5秒
返信・引用
  > No.815[元記事へ]

仮にも≪愉快な仲間達の総料理長≫である紅葉は、たとえ愛しの燕真くんを紅蓮の炎に包もうとも、配給所&料理&亜美とジャンヌには掠り傷1つ負わせなかった。
暴れるだけ暴れたらケロッとして変身解除して、亜美とジャンヌが作業も忘れて呆けてるとこへ戻って来て配給を再開する。

「はぃ並んでぇ~!ぉぃしぃぉぃしぃ、蟹汁とカレーとィノシシ鍋と串焼きだょ~っ!!」

実際に美味かった。とてもチャチャっと作った配給メシと思えない。大量の蟹汁(カニ怪人の味噌煮込み)が追加された上に、ボタン鍋(イノカブトンの味噌煮込み)と
ビーフカレー(ガラオックスカレー)と亀肉の串焼き(ウツボガメスの串焼き)も並んでいる。ちなみにウツボガメスのウツボの部分は、うまみ成分とゼラチンが豊富で
美味いらしい。日本では和歌山・高知・長崎で、祝いの席にウツボ料理が出されるらしい(wiki参照)・・・だが小骨が多くて調理が面倒だったんで破棄された。

「うめぇ~・・・こんな美味い料理、現世でも極楽でも初めてだ・・・霊魂Aです」
「しかも、めっちゃ可愛い。あれが噂の天女様か?・・・霊魂Bです」

感激して美味い料理を食う霊魂達。咽び泣いてる奴までいる。ちなみに『人間の要素もある材料で作った料理を食っている』って驚愕の事実を、霊魂達は知らない。
「とってもカワイイ天女達が、美味い食事を配給してくれる」って噂が、口コミやネットであっという間に広がって、配給所は長蛇の列である。
余談だが、【極ちゃんねる】や【極Tube】にアップされた3人娘を見て遠くから来た、被災者でも何でもないアイドルヲタや自宅警備員も紛れてるらしい。
まあ、そんな感じで暫くは順調に配給が続いてたんだけど・・・・嬉々としてビーフカレー(ガラオックスカレー)を受け取った佐藤〇朗氏を見た途端、亜美の顔が
キッと険しくなってコメカミに青筋を浮かべ、次の瞬間にはテーブルをヒラリと乗り越えて佐藤〇朗氏に迫る!!ジャンヌも同じ事を思ってたらしくて後に続いた。

「ちょっと貴方っ!!黙って見てりゃ、これで何回目よっ!?・・・亜美でーす」
「あ、はい・・・・え~と・・・蟹汁&うどんで、計7杯です」
「で、貴方が持ってる物は何!?・・・亜美でーす」
「・・・・配給のカレーライスです」
「それは理解してるらしいな・・・
 ならば、そこの貼り紙が見えないのか!?ひょっとして、目が悪いのか!?・・・ジャンヌだ」
「・・・・見えてます」
「だったら、字が読めないの!?何て書いてある!?・・・亜美でーす」
「あ~と・・・あの・・・『配給は1人1回まで』・・・です」
「ちゃんと読めるじゃないっ!!だったら、意味が解らないのかしら!?・・・亜美でーす」
「なるほど、バカなのか・・・ジャンヌだ」
「いえ・・・そ~ゆ~事でなく・・・」

亜美とジャンヌの気迫に圧されちゃった仏は、オタオタしながら小声で呟くように答えるばかり。

「皆いきなり何もかも失って、とても困ってるのだ!!貴様はホトケと言う、
 ブッキョウの偉い奴なのだろう!!そんな最低限のルールも守れんのか!?・・・ジャンヌだ」
「え、ウソ!?仏様なの!?こんな最低な奴が!?・・・亜美でーす」
「あ、そうか。亜美は後から来たっけ。こいつはホトケとか言う奴だ・・・ジャンヌだ」

前後の境も解らんくらいブチ切れてた亜美が、ジャンヌの台詞で飛び退きそうなくらいビックリ仰天。が・・・・直ぐに我に返ると、行列を指さして問う。

「呆れた~・・・ちょっと行列の後の方を見なさいよっ!!・・・・亜美でーす」
「あ、はい・・・」
「何が見える!?・・・亜美でーす」

行列の後の方では、両親に連れられた幼子が空腹を訴えてべソかいてた。とは言っても、どうにもならん。両親にしたって、いきなり焼け出されちゃったもんだから、
身一つで慌てて逃げだして今に至るのだ。ぐずる子供を窘めるしか術がない。そんな光景を眺めてから「ちっちゃい子が、お腹空かせて泣いてますね」と気まずそうに
答えた仏に、亜美は心の底から軽蔑しきった冷たい視線を投げかけて「フゥ~~~~~~~・・・」と大きな溜息を1つ吐いてから説教再開。

「へぇ~、そうですかっ!!仏様ともあろう貴い方が、あんな可哀想な子を無視して7杯もバクバクとっ!!
 他人を蹴落として食べる配給は、さぞかし美味しいでしょうねっ!!
 とっても美味しくて、思わず慈悲の心も忘れたんでしょうねっ!!だってクレハの料理だしっ!!・・・亜美でーす」
「・・・・・・いや、・・・あの・・・・え~と・・・」

そんなこんなで佐藤〇朗氏は、「あ~あ~、もう全人格を否定されちゃってんよ」「向こう1ヶ月は立ち直れないな」「いや、一生トラウマだろ」って勢いで、
亜美とジャンヌから怒涛の説教を延々と喰らいまくった。紅葉は仏に対して特に興味もないんで、1人で配給の列を捌いていた・・・が、別の心配が湧いてきた。
あんまり亜美が怒っちゃうと、たとえ極楽だろうと妖怪を呼び寄せて憑りつかれちゃうかも知れない。この辺で止めとかなきゃだ。

「ねぇねぇ、どぅしたのぉ~?」
「あ、クレハ。実は(中略)ってワケで、お説教してたんだよ・・・亜美でーす」
「ぇ~~~~っ!?信じらんなぃっ!!」
「でしょっ!!あと小1時間は言い聞かせるっ!!・・・亜美でーす」
「ぅん、その気持ち解るょ亜美・・・でも今大事なのゎ、説教ょか配給ぢゃね?」
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ほら見てみ、ぃっぱい並んでるょ~」
「ホントだ、凄い行列だな・・・ジャンヌだ」

言われて気がつきゃ100mばかりの行列が出来上がっちゃって、あちこちで「腹ペコだ~」「早くしてくれ~」と懇願する声が聴こえてくる。
紅葉の言う通り、説教してる場合じゃない。とは言っても、このまま佐藤〇朗氏を開放するのは癪に障る・・・ちょっと考え込んで何やら閃いた亜美は紅葉を呼び、
耳元でゴニョゴニョ囁いた。それを「ぅんぅん」と頷きながら終いまで聴いた紅葉は、YOUKAIスマホに指を滑らせて【バリカン・朝礼台・立札】と書いてから
「ぇぃっ!」と左手を突き出した・・・・・。

ひゅるひゅるひゅる、どろろんぱっ

書いた通りの物が召喚される。亜美はバリカンを拾って佐藤〇朗氏に渡しながら「何が言いたいか解るわよね?」って感じで睨みつける。受け取った佐藤〇朗氏は、
バリカンを見つめてゴクリと唾を飲んで「ス~ハ~」と深呼吸を繰り返し、自ら頭に刃を当てて髪を刈り始めた。やがてクリクリになっちゃった佐藤〇朗氏に対し、
亜美は相変わらず厳しい表情で「良いって言うまで朝礼台で正座!」と命じ、朝礼台の傍らの地面に『私は仏なのに最低限のルールも守らない、ゲスの極みです』と
書かれた立札を突き刺し、ようやく納得した表情になって配給を再開した。

「う~・・・・俺まで巻き添えにすんな紅葉・・・」
「いてててて・・・・おめ~の躾がなってない所為だバカ野郎」
「あんの妖怪娘・・・・いつか必ず、叩き斬る・・・・」

少し離れた地ベタで、どれが誰だか解らんくらい、頭のてっぺんから爪先まで包帯をグルグル巻きにした真司・美穂・燕真が、ウンウン唸りながら横たわってる。
そこへ、ちょっと影が薄くなってたけど一緒にいた筑波洋が、ニコニコと爽やかな笑顔を浮かべながら寄って来やがった。

「だいぶ辛いようだね?そんな応急処置じゃいけない。僕がガッツリ治療してあげよう」
「ヤダ怖いっ!!近寄るなっ!!」
「オメ~の治療だけは断るっ!!」
「治る代償に、すげ~大事な何かを失っちまいそうだっ!!」

背筋に冷たいモノが走った真司達は、痛む身体に鞭打って上半身だけ起こして、腕と尻でズリズリ後退しながら叫ぶ。

「単なる治療じゃない。もっと強靭な力と技を授けるよ・・・
 ≪肝心な時に、やられ役≫のポジションを卒業して、作中で最強の存在にしてあげるぞ」
「余計なお世話だっ!!」
「おめ~の治療で最強になるくらいなら、今のままで充分だよっ!!」
「あっち行けっ!!指1本触れたら、獄門にしてやるからねっ!!」

【ヒーロー法Ⅳの3・ビジュアル的に合格の若者が、敵に対して勇猛果敢に挑んで瀕死になった場合は既存ヒーローは、若者を改造しても良い】
筑波にしてみれば、目の前に“大好物”が3体も転がってるのだ。上で『爽やかな笑顔』と書いたけども、実際は目を爛々と輝かせて息をハァハァと激しく荒げていやがる。
何より、片手に麻酔らしき注射器を持っている。真司・美穂・燕真に、カイゾー狂の魔手が迫るっ!!・・・・・と、その時(毎度のパターン)

ブロロロロロ~

彼方から一目散に走ってくる車は、ホンダのZ360と言う大昔の軽自動車だった。かなり珍しい・・・てゆ~か車自体も珍しいけど、カラーリングが個性的だ。
右半分がシルバーで、左半分がレッドなのである。http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/U/UnKnown/20100915/20100915004637.jpg

≪てめえ、そこに居たかっ!!!筑波洋~~~~~~~っ!!!!!!≫
「・・・あ、いけねっ」

車から声が聴こえた。しかもハッキリ怒気を含んだイントネーションで「筑波洋」と言った。

「ん~~~~?」
「あんたの名前を呼んでるぞ?・・・燕真です」
「てゆ~か、由良の声じゃない?・・・美穂よ」

声の主は、紛れもなくゴローちゃんだった。今になって気がついたけど、『ゆるキャラ軍団に苦戦して、梨汁まみれで虫の息』ってとこまでは覚えてるんだけども、
それから今まで姿を見てなかった。紅葉と並んで料理上手なゴローちゃんなのに、こんな状況にもかかわらず配給の手伝いをしないとは。考えたら変である。
って思ってる間に、Z360は直ぐ傍まで来てから派手にタイヤを鳴らしてストップ。

≪てめえええええええっ!!!今度こそ、ブッ殺~~~~~~~すっ!!!!!≫
「・・・・・・・ん?」
「声はすれども、出てくる気配が無し・・・美穂よ」
「どうしちゃったんだろ?・・・燕真だ」

フロントウインドウ越しにゴローちゃんの顔が見えるんだけど、何で乗ったまんま?さっさと降りてくりゃ良いのに・・・・と思って、良~く見たら謎が解けた。
確かに運転席にゴローちゃんが居るんだけれども、乗ってるのではなくて“座席のヘッドレストにゴローちゃんの顔が埋め込まれてる”って状態だったのである。
早い話、車そのものがゴローちゃんって事だ。ちょっと呆気にとられちゃったけど、やがて我に返る真司。コッソリ立ち去ろうとしてた筑波洋の襟首をムンズと掴む。

「あんた、今度は何しやがったっ!?!?」
「『何しやがった』とは人聞き悪い・・・僕は、作者直々のリクエストに応えただけだ」
「はあああああ!?」
「ちょっと何言ってるか解らないんだけど・・・美穂よ」
「262話で≪ジャムジード海賊団の戦力≫を紹介してるとこを読みたまえ」
「ん~と・・・・・・・・・ここか?
 『由良吾郎号(中略)戦艦の素体は、狂科学者によってカイゾーされたゴローちゃんだぞ。』・・・燕真です」
「うむ、如何にも!」
「それでカイゾーしちゃったの!?・・・美穂よ」
「真に受ける奴があるかよっ!!・・・真司です」
「あれっ?次章は『宇宙海賊編(仮題)』じゃないの?」
「262話は【ifの話】だバカっ!!・・・真司です」
「でも宇宙戦艦じゃなくて、年代物の軽自動車だな?・・・燕真です」

指摘された筑波洋は、ちょっと困ったような表情・・・まあ、ホントに困ってなんかいない。むしろ「良い仕事をした」と思っていやがる。
そして親指と人差し指で輪っかを作りながら答えた。

「単に予算の問題だよ。宇宙戦艦を建造となると、おそらく国家予算並みの費用が掛かるだろう。
 僕の技術なら、本物と寸分たがわぬ偽札を作るくらい造作もない。だが、超インフレになってしまうぞ。
 うまい棒が1本500円とかになっちゃうかも知れないぞ。困るだろう?」
「うまい棒が500円か。確かに困るな・・・燕真です」
「そこじゃねえだろっ!!もっと根元的なツッコミしろバカ燕真っ!!・・・真司です」
「だからって、宇宙戦艦が軽自動車?しかも年代物の?・・・燕真です」
「そこでもねえっ!!・・・真司です」
「安心したまえ。草むらで朽ちてた車を拾って使ったけど、パーツは全て新品にレストアしてある」
「あ、なるほど・・・燕真です」
「な~~~ん~~~~で~~~~、そこで納得しちまうんだよっ!?・・・真司です」

ボケまくりな燕真と、苛々してる真司と、戸惑ってる美穂。その様を爽やかに微笑みながら眺めてた筑波洋は、やがて勿体ぶったように「ゴホン」と咳をしてから
「それについて説明しようか」と話を切り出した。

「ただの軽自動車ではない・・・通りすがりのエメラルド星人を拉致って催眠装置に・・・あ、間違えた・・・
 通りすがりのエメラルド星人と友達になって、教わったテクノロジーで造ったスーパーマシンだ!」
「へぇ~、そうは見えないけどな・・・燕真です」
「てゆ~か、すげ~言い間違いしてたわね・・・美穂よ」
「その名も、ジャンゴローナイン!!」
「じゃんごろーないん?」×3
「あの車は仮の姿・・・・・・いざと言う時は、スーパーロボットにチェンジするのだ!!」


☆☆☆☆☆☆これがジャンゴローナインだ☆☆☆☆☆☆

ゴローちゃんがエメラルド星のテクノロジーと狂科学者の手で、ゴロージーゴンからジャンゴローナインにフルモデルチェンジだ!
https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/2/f747e529510bb552fc7b24a3bd0235dc4a449bb8.79.2.2.2.jpg?thum=53

◎変身時◎

身長:50m
体重:5万t
出力:100万馬力

・空は飛べないけど、900km/hで走れるぞ!
・100万馬力のパワーと色んな光線技で戦うぞ!

◎車形態(ゴローカーZ)◎

・ホンダのZ360だ。フロントグリルの形状から察するに、たぶん後期型の水冷エンジン搭載モデルだ。
・オリジナルは主人公の立花直樹が操縦してたけど、ジャンゴローナイン及びゴローカーZは完全自立型だ。
・愉快な仲間達を、4人まで乗せて運べるぞ!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「おめ~、どうすんだよ!?普段は車で、変身したら身長50m!?
 この話、いちおう仮面ライダーがメインだぞ!!話に合わせろやっ!!・・・真司です」
「大丈夫!あの作者共の事だ!そのうち何事もなかったみたいに、場に合わせた大きさで戦ってるさ!」
「てゆ~か、由良の元の身体はどうしたの!?・・・美穂よ」
「それも大丈夫!あの作者共の事だ!そのうち何事もなかったみたいに、普段はゴローちゃんになってるよ!」
「・・・・・何だかなあ・・・・・」
≪城戸さん、佐波木さん、霧島さん!!筑波を押さえて下さいっす!!今度こそ引導を渡してやるっす!!≫
「あ、いけねっ。ビックリしたのと呆れてたのとで忘れてた・・・真司です」
「間に合わせの材料で作ったゴロージーゴンより手が込んでるんだぞ。何が不満だ?」
≪そ~ゆ~問題じゃねえんだよっ!!俺を人間に戻しやがれっ!!≫
「とりあえず、狂科学者を押さえつけましょ・・・美穂よ」
「そうしようか、何だか可哀想だし・・・燕真です」
「やれやれ・・・毎度ながら、こんな展開になるのか」

3人は痛む身体に鞭打って立ち上がり、全身に巻かれてた包帯を剥ぎ取り、それぞれアイテムを出してポーズして、龍騎・ファム・ザムシードに変身完了!
筑波洋は、勇ましい声で「トォーッ!!」ってジャンプ。適当な高い場所に飛び乗り、ポーズしながら「スカ~イ!変身!」と叫んで、スカイライダーに変身!
そしてゴローカーZは・・・・・・・・

≪ゴローファイトっ!!ツーダァァァァァァッシュっっっ!!!!!≫

勇ましい声で叫んだら背景が極彩色になり、ゴローカーZがクルクル回りながら背景に吸い込まれるかの如く小さくなり・・・・
銀色の右手と赤い左手がビョ~ンビョ~ンと飛び出し、続いて全身がズババババ~ンと飛び出して、ジャンゴローナインに変身した!!
まあ早い話、ジャンボーグ9の顔にゴローちゃんの顔が移植されてるんだけれども。
「変身と戦闘を動画で観たいよ」って良い子達は、リンク先にある『ジャンボーグ9 変身&戦闘シーン』をポチりやがれ。
http://na2ka4.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
 
 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編99 焔5

 投稿者:仮面歩行者  投稿日:2017年 5月19日(金)13時33分34秒
返信・引用
  -映画・仮面ライダー焔(ファイヤー)・灼熱の地球SOS-

    チャプター14
    春瀬は、木堂と日比木に、新車発売中止を頼むために、2人が面会中の料亭に行くのだが、
    ふすま越しに、データ改竄がばれた時は、全責任を春瀬に押し付けて尻尾切りをすると言う
    木堂の言葉を盗み聞きしてしまう。木堂は、ずっと、その目的で、春瀬を部下にしていたのだ。

    チャプター15
    春瀬の心が、急速的に闇に落ち、生み出されたデザスタに体を乗っ取られ、
    アイスデザスタ・ゼロが出現をする。アイスデザスタ・ゼロは、木堂と日比木を殺害し、
    東京全土を凍り付かせるほどの勢いで暴走を開始する。
    (赤馬たちは春瀬がデザスタを生み出していると気付いて止めようとするが、
     一歩遅かった為に、木堂と日比木の殺害現場に立ち合ってしまう)


春瀬綾香(アヤセ)は、何かに憑かれたような厳しい表情で、黙黙と繁華街を歩いていた。目的地は、もう少し先にある高級料亭。その料亭では、恩師の木堂竜樹と、ヒビキ自動車社長の日比木重樹が会食をしていた。


~~~~~~~~~上記までは劇場公開版のシーン。下記からはディレクターズカット版~~~~~~~~~


木堂経由で日比木に依頼された仕事・・・それは、ヒビキ自動車から新たに販売される自動車の排出ガスのデータ作成だった。綾香の作成したデータによって、新車販売の認可は下りた。そのデータは、これまでのガス排出の常識を大きく覆し、新世紀の中核になるほど理想的な数値を示していた。このエンジンの開発により、ヒビキ自動車は世界中の自動車シェアを独占することが可能だろう。それほど画期的な発明なのである。

しかし、それは、全て偽装データである。目標には程遠い結果を、日比木が木堂の元に持ち込んだ。環境学の第一人者・木堂教授のお墨付きがあれば、新車には輝かしい箔が付くからだ。
木堂は、日比木が提示した大金に目がくらみ、データの改竄を引き受け、綾香に偽装を命令したのだ。
綾香は、木堂からデータ改竄の指示を受け、疑心暗鬼に陥りながらも、恩師に逆らえずに引き受け、完璧な偽装データを完成させた。

だが、綾香の心は、不正を認めたくなかった。大きな罪悪感に捕らわれていた。今ならば、まだ、「データのミス」を報告して、新車販売を中止すれば、罪からは免れることができるはずだ。
その為に、木堂と日比木に直談判をする。それが、綾香が木堂等の会食する料亭に向かっている理由だった。

料亭の門をくぐり、女将に木堂達がいる部屋を聞いた綾香は、女中が「取り次ぐからお待ち下さい」と言うのを無視して、彼等がいる部屋に向かってドカドカと猛進する。立派な木目の柱だの、美しい彫り物が施された梁だの、高そうな置物など、その場所が高級を思わせる意匠などには、一切、目を向ける余裕も無い。

そして、木堂等と廊下を隔てている襖の前で深呼吸をして、引き手に指を掛け、勢い良く開けようとした・・・が、中から漏れ聞こえてくる声を耳にして動きを止めた。

「くっくっく・・・シュッ!木堂さん、この度の件は感謝しますよ!」
「うっへっへ・・・前略オフクロ様。僕、今、悪人の役をやっています。」
「シュッ!・・・これは、私からの心ばかりの謝礼です。」
「おぉっ!前略オフクロ様。目の前に1000万円の札束があります。僕がもらっても良いのでしょうか?」
  「シュッ!・・・神山くん、驚いてないで台詞セリフ!」
「そ・・・そうだった・・・。
 前略オフクロ様。あ・・・あ・・・ありがたく・・・もらっておきます!
 ひ・・・ひ・・・ヒビキさん・・・じゃなくて、日比木社長・・・おぬしも悪よのう」
「くっくっく・・・シュッ!木堂教授ほどじゃありませんよ。」
「うっへっへ。また何かあれば、いつでもご相談下さい。
 日比木社長の依頼であれば、精一杯、力になりますよ。・・・前略オフクロ様。」
「くっくっく・・・シュッ!その時は、よろしくお願いします。」
「うっへっへ。任せて下さい。・・・前略オフクロ様。」

「ところで、木堂教授?助手の女性・・・春瀬教授って言いましたっけ?彼女は大丈夫なんですかね?
 今回の一件には、かなり不満そうな顔をしていましたが・・・。」
「うっへっへ・・・前略オフクロ様。彼女なら大丈夫ですよ。この件をリークするほど大胆ではありません。
 それに、学費が払えずに退学寸前だった彼女を拾って、これまで育てたのは俺です。
 彼女は、大恩ある俺には逆らえません。
 何よりも・・・彼女を飼っておかないと、もし何らかの拍子に、今回の偽装がバレた時に、
 俺や日比木社長の代わりに、罪を被る者が居なくなって困りますからね。」
「くっくっく・・・シュッ!なるほど、彼女にデータ作成を命令した理由は、その為でしたか。」
「うっへっへ・・・そう言う事です。彼女は、俺達を騙して、データを捏造した。
 そして、俺も社長も、彼女の悪意に気付かず、彼女のデータ偽装を見抜けなかった。
 まぁ・・・彼女は俺の自慢の部下です。そして、俺に忠実な愛人です。
 簡単に偽装がバレるようなミスも、俺への裏切りも有り得ませんがね。
 ・・・と言うか、前略オフクロ様。僕、久しぶりに登場したと思ったら、極悪人になっていました」

「くっくっく・・・シュッ!残念。既に、教授のイロでしたか。
 美しい女性でしたので、機会があれば、俺の別宅に御招待して、口説き落としたかったのですがね。」
「うっへっへ・・・宜しければ、彼女の部屋の合鍵を2~3日貸し出しましょうか?
 ベッドの上の彼女も献身的ですよ。・・・前略オフクロ様、今の僕、死亡フラグ立ってますよね?」
「くっくっく・・・シュッ!それでは、彼女が気の毒ですよ。だけど面白そうだ。」
「いえいえ、良いんですよ。彼女はずっと俺に飼われていたので、俺以外の男を知らない。
 たまには、放し飼いにして社会勉強をさせてやるのも、親心ってやつです。・・・前略オフクロ様」
「くっくっく・・・シュッ!ならば・・・お言葉に甘えましょうかね。」
「彼女は、ただの便利な部下、兼、都合の良い女です。
 俺にとっては、彼女との蜜月よりも、日比木社長との親密の方が価値が有りますからね。
 ・・・前略オフクロ様、俺、最低な奴ですね。」

ちなみに、日比木重樹社長役の人は、予定通りヒビキさんが演じているのだが、木堂竜樹教授役は、当初予定の城戸真司へのオファーができなかった(死亡中だったので連絡が付かない)ので、代役として、真司にソックリな神山高志を立てていた。

襖越しに恩師達の会話を盗み聞きしてしまった綾香は、絶句をして、両眼を大きく見開いて引きつった表情で青ざめ、襖を開ける僅かな勇気すら失い、足を振るわせて数歩後退りして、力無くその場に腰を下ろす。



-回想-

綾香の父親は、町の工場を営んでいた。大きな工場ではなかったが、真面目で勤勉な社長(父)は、周囲に敵を作ることはなく、綾香の家は裕福とは言えなかったが、子供達が苦労をせずに大学進学をできるくらいの貯蓄は持っていた。
しかし、綾香が大学生になった数ヶ月後、父親の工場は閉鎖を余儀なくされる。大手自動車メーカー・ヒビキ自動車の子会社が、父親の工場がある町に進出をしてきたのだ。顧客は、安く大量生産ができる大工場に、次々と奪われ、業績は急激に悪化をする。将来性を失った工場に対して、銀行の融資は止められ、父親は資金調達と給料支払いの為に、借りてはいけない闇金融に手を出してしまう。膨大な借金を抱えた父親は、担保の工場をも失い、親元から離れて大学生活を送っていた綾香に黙ったまま、家族は夜逃げをしてしまった。
親からの仕送りを失った綾香は、学費を払えなくなる。それは必然的に、退学を意味していた。

拠り所を失った綾香は、途方に暮れるしかなかった。就職をするにしても、中途半端な立場と時期の自分を雇ってくれる企業などあるのだろうか?目的も無く大学に行き、「あと数日で、この大学とも無関係になる」と寂しそうな眼で校舎を見つめる。学食に入り、何も頼まずに、ただ座席に座って、ボケッと周囲を眺める。

「前略オフクロ様。1年生の春瀬さん・・・で、いいのかな?」

不意に綾香に声が掛けられた。振り向くと、20代後半くらいの年齢の男が立っていた。環境学の助教授・木堂である。綾香は、木堂の授業は受講した事は無い。同級生の女性達が「イケメン助教授」の噂をしていたので、何となく知っている程度である。何故、面識のない助教授が声を駆けてくるのか、見当が付かない。

「座っても・・・良いかな?前略オフクロ様。」
「・・・は、はい」

木堂は、綾香の向かい合わせの椅子に座り、やや小声で、綾香に話し掛ける。

「前略オフクロ様。総務で聞いてね・・・君、退学するつもりなのか?」
「・・・え?」
「前略オフクロ様。学費が滞納しているって噂を聞いて・・・
 いや、ただの間違いなら聞き流して欲しいんだけど。」
「・・・はい、事実です。」
「そっか。勿体ない。前略オフクロ様。」
「・・・・・・・・・」
「前略オフクロ様。申し訳ないけど、少し興味を持っちゃって、君のことは調べさせてもらったよ。
 授業態度は真面目、成績は優秀、君が他の教授に提出した論文は興味深い。
 ・・・君の退学は、君にとっても、この大学にとっても、大きな損失になるんじゃないかな?」
「・・・・・ですが、私には、もう」

寂しそうに俯く綾香。対する木堂は綾香の手を取って、ニコリと微笑む。

「前略オフクロ様。君が学び続けたいなら協力するよ。」
「・・・え?」
「前略オフクロ様。君が社会人になってから、少しずつ返してくれればいい。」
「・・・え?一体何を?」
「前略オフクロ様。俺が君の学費を立て替えるよ。個人的な奨学金制度ってやつさ」
「・・・・・!!」
「俺が信用できないなら断ってくれて良い。前略オフクロ様。」
「し、信用できないなんて・・・そんな!」
「なら決まりだね。条件は、4年間、真面目に学業に励むこと。それで良いかな?前略オフクロ様。」

頼る物もなく、まだ18歳で一般常識すら備えていなかった綾香は、藁にもすがるような思いで、木堂の申し出を受け入れた。この時の彼女は、「この様な虫の良い話があるわけがない」ことなど少しも疑問に思わず、木堂が優しい足長おじさんに見えたのだ。
世間知らずの少女が、高い包容力のある大人の男に好意を持つには、それほど時間は要らなかった。数ヶ月後には、木堂に手作り弁当を差し入れするようになる。3年生になると、迷わずに環境学を専攻し、一番前の席で、木堂助教授の授業を真剣に聞いた。
校内では先生と生徒だが、プライベートでは男女の関係になっていた。これは木堂の思惑通りだった。しかし、木堂が綾香に支援をした目的が、遊び心で、若くて美しい少女を毒牙に掛ける為だった事など、純真な綾香は気付いていない。綾香は、自分が木堂の毒色に染まっていくことを、毒色とは気付かずに、幸せと感じていた。

綾香は、元々、成績の良い学生だったが、環境学については群を抜いて優秀だった。木堂に近付きたくて、最優先で環境学を学んだ。4年生になる頃には、「大学院生となって、更に環境学を追求する」ことを進められる。木堂の牽引も手伝って、綾香はトントン拍子に大学院に進み、その後は、教授に就任した木堂の助手になった。この時、綾香は、ようやく、憧れの木堂の背中に追い着けたような気がした。



数日前、日比木社長からの依頼を、木堂はデータ改竄という方針で、綾香に命令した。綾香は、日比木社長が間接的に父の工場を廃業に追い詰めたことを知っている。ましてや、地球温暖化に関連するデータ改竄など、出来るワケがない。直ぐに「いくら教授の指示でも、そのお仕事はできません」と拒絶をした。・・・しかし。

「そうか、解った・・・しかし、困ったな。前略オフクロ様。」
「どうしたんですか?」
「前略オフクロ様。・・・い、いや、チョットした借金があってね。
 若い時に作ってしまった長期間の借金だったもんで、いい加減に焦げ付いてしまってね。
 これが汚い仕事と言うことは理解しているのだが、
 遂行すれば、借金が帳消しになるくらいの報酬が受けられんだ。」
「・・・借金?ですか?」
「前略オフクロ様。全ては俺が独断で決めたことだ。君が気にすることではない。
 すまなかった、この一件は忘れてくれ。」
「・・・その借金て、まさか、私の学費?」
「しまった・・・勘付かれたか?
 ・・・き、君が気にすることではないと言っただろう。前略オフクロ様。」

綾香は、それ以上は何も不満を言わずに、「汚い仕事」を引き受けることにした。大学時代の自分を助けた為に、今も木堂が苦しんでいること、そして今まで、その事実を知らなかった自分を恥ずかしく感じた。
実際には、木堂に借金など無い。「借金があるフリ」をして、あえて明確な言葉にはせずに、「それが綾香の為の借金」「木堂は追い詰められている」と思い込ませて、直接的には手を汚さずに、綾香の手が汚れるように仕向けたのだ。綾香に向かって深々と頭を下げた木堂の表情は、綾香には見えない角度で、悪意にまみれた笑顔になる。



根を詰め、自宅マンションに戻ってまで、リビングでパソコンに向かって、排出ガスの偽装データと向き合い、どう処理をすれば木堂に恥をかかせない仕事を完成させられるかを考える。同室には、綾香のマンションを訪れ、ソファーに寛ぎながらテレビを見ている木堂が居る。

「前略オフクロ様。・・・なぁ、綾香、少し休んだらどうだ?こっちに来いよ。一緒に呑もう。」
「はい、でも、もう少しキリの良いところまで・・・」
「前略オフクロ様。あまり頑張りすぎるなよ。・・・やれやれ、仕方がないな。
 何事にも一生懸命すぎるところが、君の欠点でもあり、長所なんだよね。」

木堂は、内心では「俺への当てつけか?面倒臭い女だ」と思うが、綾香の前では、決して表情には出さない。綾香の背後に立って、背中を抱きしめる。そして、手に持っていたワイングラスから、ワインを口に含んで、やや強引に唇と唇を重ね、口移しでワインを綾香の口の中に流し込む。

「・・・・んん」

最初は驚いて抵抗気味の綾香だったが、すぐに誘惑に負けて、木堂を抱きしめるようにして背中に手を回す。

「前略オフクロ様。少し休め。シャワー浴びてこいよ。」
「・・・・はい」

数分後、綾香は、ベッドの中で木堂の腕に顔を埋めていた。幸せに溺れた虚ろな表情で、タバコを燻らす木堂を見つめている。

「前略オフクロ様。シャワー浴びてくるよ。」
「・・・はい」

ベッドに綾香を置き去りにして、浴室に向かう木堂。綾香は、ベッドの中に沈んだまま、「私は他の誰よりも、木堂の役に立っている」と、幸せそうな表情で木堂の背中を見詰めている。しかし、その表情は、どことなく曇っている。それは、「汚い仕事に手を染めている」自分があきらかに間違えている不満と、木堂に置いて行かれたくない不安が混ざった歪みだった。



-回想終わり-

恩人・木堂、恋人・木堂・・・・綾香にとって大切な木堂の顔は、どちらも、ただの偶像だった。木堂竜樹は、春瀬綾香を都合良い道具として使っているだけだったのだ。
もう、何を信じて良いのか解らない。苦学生だった10年前から、何を信じていたのか解らない。表皮が剥がれ、筋肉が崩れ落ち、骨すらも砕けていくかのように、春瀬綾香を組み立てている何もかもが崩壊していく。

「シュッ!ん?・・・廊下で、何か物音がしましたね。」
「前略オフクロ様。何ですかな?女将かな?」

襖の外側の異変と気配に気付いて、立ち上がる日比木。やや警戒気味に襖に近付いて、覗き込むように開ける。そして、廊下で腰を抜かして呆けている女を確認してから、木堂にも見えるように、大きく襖を開いた。

「シュッ!オマエは木堂教授の部下の?」
「前略オフクロ様。・・・綾香?聞いていたのか?」
「シュッ!ま、拙くないですか?木堂教授?」
「ほ、本気にするなよ、綾香。酒の席での冗談だ。・・・前略オフクロ様。」

木堂と日比木も、流石に驚いて、表情を引きつらせながら取り繕う。しかし、もはや、どんな言葉も、綾香の耳には届いていない。


~~~~~~~~~上記はディレクターズカット版で戻るシーン。劇場公開版は下記から~~~~~~~~~

-繁華街-

赤馬と芳華が、綾香を捜索して繁華街に辿り着いた。特災課がこれまでの事件を洗い直した結果、アイスデザスタは、春瀬綾香に何らかの関係があると突き止めたのだ。しかし、周辺の聞き込みをして、繁華街まで綾香を追ってきたまでは良かったが、彼女が何処に居るのかが解らない。ここから先は、足で地道な捜索をするしかないのである。

「クソッ!何処に居やがるんだ!!」
「愚痴を言っている暇があったら探しましょう!私はこっち、赤馬はあっちを!」



-高級料亭-

綾香は、口に手を当てて、ショックで逆流してくる胃液を押さえ込もうとするが、押さえきれずに廊下に吐き出してしまう。

木堂が、懸命に笑顔を作って、廊下で腰を抜かしている綾香に手を差し出す。一方の日比木は、面倒臭そうに綾香を見つめている。
そして綾香は・・・光沢が消えた虚ろな眼で、木堂と日比木を見つめ、眼に涙を溜めたまま、まるで何かが壊れたかのように、不気味な笑みを浮かべている。

綾香の眼から流れた大粒の涙が、頬を伝い、滴と成って落ちる・・・が、落ちる前に氷の塊と化した涙が、廊下を転がる。
急激に周囲が冷え込んでいく。同時に、綾香の周囲に漆黒の闇が出現をする。

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
「モウ、ナニモ、イラナイ」
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
「ナニモカモ・・・全ブ・・・壊レテシマエ」
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

綾香の眼に憎しみ色の冷たい光りが灯る!闇は、綾香を真ん中に吸えたまま、徐々に人型を造り、周りが今まで以上に急激に冷え込んでいく!

「前略オフクロ様。う・・・うわぁぁっっっっっ!!!」
「シュッ!化け物だぁぁっっっっ!!!」

脅えた表情で逃走を開始する木堂と日比木!綾香が冷たい眼で睨み付けた途端、綾香を覆っていた闇が伸びて、木堂と日比木を包み込み、巨大な手の形になって、2人の自由を奪い取った!冷たい巨大な手に握られた木堂と日比木は、全身の体温を奪われて、徐々に青ざめていく。

「前略オフクロ様。や、やめてくれ・・・やめさせてくれ、綾香・・・俺は君を愛して・・・」
「な、何故、俺まで・・・俺は君に、何もしていない・・・シュッ!」


騒ぎを聞きつけた赤馬と芳華が、綾香の元に駆け付けてくる!

「クッ!やはり春瀬博士がアイスデザスタを!!」
「拙いわ!あのままでは、木堂教授が殺されてしまう!!」

しかし、赤馬達が阻止に入るよりも先に、巨大で極寒の手で握られた木堂と日比木は、体と命をカチカチに凍り付かせ、次の瞬間には2人の氷像は、赤馬達の目の前で粉々に砕け散る!

「なんてこった!」
「間に合わなかったわ!」

春瀬綾香にとって、恩師で恋人の木堂竜樹は、目障りな憎しみの対象でしかなくなっていた。地球温暖化防止の信念を曲げてまで尽くしたのに、呆気なく裏切られてしまった綾香にとって、もはや、この世界には必要な物は何も無い。全てが無くなっても、何も惜しくはない。むしろ、味方が誰も居ない世界など、無くなってしまえば良い。
まるで、綾香の絶望の深さに呼応するように、綾香を取り巻く闇は濃く大きくなり、やがてアイスデザスタの形を整える!ただしそれは、今までのアイスデザスタとは違う。これまで焔達と戦った氷の怪物に、皇帝っぽい意匠を付け加えた形・・・アイスデザスタ・ゼロ!!
赤馬と芳華の間の前に、巨大な氷の怪物の王が出現をする!!



ちなみに、上記のシーンは、はぼディレクターズカット版のシーンであり、大半がカットされた劇場公開版では、2~3分くらいのシーンになってしまった。
また、春瀬綾香が闇に落ちていく細かい描写が、全カットになった為に・・・綾香が会食中の木堂のところに一方的に押し掛ける→店内でゲロを吐く→闇墜ち&アイスデザスタを召還→何も悪い事をしていない木堂と日比木を殺す・・・春瀬綾香は頭がオカシイ女みたいなイメージになってしまった。

そして、仮面歩行者は此処までタイピングして考えた。
何で俺は、たかがネタキャラの焔のストーリーをガチで書いているのだろう?今更だが、綾香の闇をもう少し軽くして、紅葉との接点を作って、デザスタじゃなくて妖怪が憑く展開にすれば、ザムシードのストーリーを1本作れたんじゃないだろうか?・・・と。



―天界・仏4号の自宅だった場所―

配給所で手伝いをしていた燕真が、手を休めて、凄くドン引きした眼で真司を見ている。

「・・・なんだよ?・・・真司だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたってんだよ?・・・真司だ」
「・・・い、いや・・・・オマエってヒドイ奴なんだな。殺されて当然だぜ。
 だけど、何で天国にいるんだよ?オマエなんて絶対に地獄行きだろうに!・・・燕真です」
「・・・はぁ?・・・真司だ」
「世間知らずな女の子を金の力で弄んで、汚い仕事を押し付けて、
 要らなくなったらポイかよ!!?・・・燕真です」
「それは俺じゃないって!!・・・真司だ」

いつもなら、真司と燕真だけが謎の受信をして、適当な会話をして終了なんだけど、今回は少しばかり違っていた。
つい先程までゲンジと毎度のコミュニケーション(ガチの殺し合い)をしていたファムが、ピタリと戦いをやめて、真司一点を睨み付けて、ウイングスラッシャーを振り回しながら突進をしてくる!

「真司っ!!アヤセさんが可哀想!!許さないっ!!素首、叩き落としてやるっ!!」
「えっ!?えっ!?えっ!?ちょっ・・・待って!・・・真司だ」

真司目掛けてウイングスラッシャーを振り下ろすファム!辛うじて回避する真司!ウイングスラッシャーの切っ先が地面をえぐる!

「俺じゃないって!!俺にソックリな別人の仕業だ!!
 ・・・てか、イケメン達を問答無用で拉致して干物にしてきたオマエが言うな!!
 やってることは、同レベルだろうに!!・・・真司だ」
「黙れ真司!女の子が男にするのはOKなの!!でも、男が女の子にするのが絶対に許さないっ!!」
「そ、そんな無茶苦茶なっ!!・・・真司だ」
「その点については、俺も真司に賛成だな。・・・燕真です」

真司はファムの突きを器用に回避する!何だかんだと言っても、美穂とは長い付き合いである!その太刀筋や攻撃のクセは、それなりに先読むする事が出来るのだ!

「クッ!ちょこまかと避けるな真司!!」
「アホッ!避けなかったら死んでしまう!俺にソックリな人の罪で殺されてたまるか!・・・真司だ」
「チィィ!妖怪娘!!ボケッと見てないでお仕置きを手伝え!!」

ファムの呼び掛けで、ブン殴りあっていた対戦相手がいきなり戦線離脱をしちゃったんで、何をして良いのか解らずにボケッと成り行きを眺めていたゲンジの眼に闘志が戻る!

「・・・ぅ、ぅん!ゎかった!!
 真司ゎ世界中の女の子の敵!!・・・そ~ゆ~ことだねっ!!」

ゲンジは、Yスマフォを握り締めて、ファイティングポーズを決めてから、真司目掛けて突進!突っ走りながら、画面に指を滑らせて『神鳥変化』と書き込んでから、左腕を高々と突き上げる!Yスマホから発した真紅のエネルギー体が、発せられて、ゲンジの体を包んで、真紅の不死鳥に姿を変える!

「ひっさぁぁ~~つ!!」

「え?」 「え?」 「え?」

真司目掛けて突進し来る灼熱の不死鳥!もちろん、真司の直ぐ脇には、真司を批難中の燕真と、真司を攻撃中のファムも、仲良く突っ立っている!

「こ、これは霧島さんの責任だな。なんで、紅葉を煽った!?」
「ち、違うわよ!女の子を道具扱いした真司の責任よ!」
「俺は何もしていない!全て、彼女1人満足に操縦できない燕真の責任だ!少しは木堂を見習え!」

「嗚呼、自分達には直撃以外の選択肢は無いんだな」と諦め、呆然とする真司&燕真&ファムが、灼熱の光りで照らされる・・・。

(そりゃやり過ぎだろう。最近の高校は‘限度’と言う日本語を教えないのか?紅葉ちゃん?)
(何で、その技を選択した?これを世間ではオーバーキルと言うのよ、妖怪娘。)
(真司に罰を与えるにしても、それじゃない攻撃手段は、いくらでもあるだろう?バカ紅葉。)

彼等は、圧倒的な光りに飲み込まれながら、もはや声に成らないツッコミを、心の中で懸命に叫ぶ!

「ァカシックバスタァァ―――――――ッッッッ!!!!!!!!!」

ちゅどぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!
たまたま配給の列を誘導する為に、配給所から少し離れていた亜美とジャンヌが、調理用のテント周辺から灼熱の巨大火柱が上がって、「うぎゃ~~~~!」×3って悲鳴が上がる光景を、表情を引きつらせながら眺めていた。

「さ・・・流石に死んだ・・・かな?や、やり過ぎだよ、クレハ!」
「アヤセを道具のように扱った城戸はともかく、巻き込まれた佐波木と美穂は気の毒ですね」
「違うよ、ジャンヌ、城戸さん‘も’何も悪い事をしていないんだけどね・・・。」

天界のメインキャラは通常運航(?)中・・・至って平穏である。

 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編98

 投稿者:仮面歩行者  投稿日:2017年 5月16日(火)17時45分2秒
返信・引用
  -ゾルダ3世が見た夢-

今日は週に一度のパーティーの日である。既に、俺が招いた客人達は、会場となる我が屋敷の庭で、主催者の俺を待ちわびている。

「ゲッボッハッハッハ!殿下、そろそろ時間でありマッスル!!」
「うむ!今行く!!」

部屋の扉がノックされて、部下が俺を呼ぶ。全裸で高級椅子に腰掛けていた俺は、応答をして、大儀そうに立ち上がり、机の上に畳んで置いてあったシルクの白フンドシを締めて、壁に掛けてあった毛皮のマントを羽織り、部屋を出る。

部屋の前では、緑フンドシの昌平・紫フンドシの光実・黒ビキニの凰蓮・赤フンドシの進ノ介、4人の部下が整列をして待っている。俺は部下達を一瞥して頷くと、正面をキッと見据えて、赤絨毯の上を力強く歩き出した。部下達は、俺の左右と背後を守るように固めて歩く。

バルコニーに繋がる扉の左右では、執事服に身を包んだ城戸真司と佐波木燕真が、片膝を立てて、主である俺を待って待機をしている。そして、俺が扉の前に立つと同時に、その扉を開いた。ちなみに真司と燕真は、伊達たち直臣のようなフンドシ締めの権利は与えていない。

2階バルコニーに出た俺は、眼下に広がる庭園を眺める。庭園は東京ドーム5個分の広さにも拘わらず、俺を祝う為に集まった客達が、所狭しとひしめき合い、俺を見上げて歓喜の声を上げ、口々に「おめでとうございます!」と祝辞を叫ぶ。

本日のパーティーに招かれた客達は、18歳以上28歳以下の女性達のみ。しかも、誰もが認める美女達のみ。AKBで例えるなら、容姿上位1/5ほどが、このパーティーに招くに値すると言えば、美女達の質の察しが付くだろうか。

「皆の者!我が聖誕祭に集うた事に礼を言うぞ!!」

俺は、庭園の女達に向かって、高々と拳を突き上げて叫んだ!そして、毛皮のマントを脱ぎ捨て、シルクのフンドシを解き、生まれたままの姿で、バルコニーから美女達の海に飛び降りた!俺様を受け止める為に、美女達が一斉に手を上げる。
俺は、女達に受け止められ、仰向け状態にされ、バックミュージック・オクラホマミキサーのリズムに合わせて、女達が上げた手の上を、大玉送りの玉のようにして、手の平で作られた波に流されるように移動する。

「ゲッボッハッハッハ!女達よ!BGM中は、主のチンポに触れるのは禁止でありマッスルぞ!」
「ゲッボッハッガハァッゴブラッガハァッ!・・・ごほんごほんうげぇっ!!
 リズムに合わせて、キチンと主を送って下さいよ!」
「ワザと自分のところに留めおくのは禁止よぉかま!」
「脳細胞がトップギアだぜ!注意しろよ!BGMは、いつ止まるか解らないぜ~!」

俺を獲得する為にルール違反をする女かいないかと、弟子達が監視をする中、俺は大玉送りの要領で流され続ける。

そして・・・不意に止まるオクラホマミキサー。それは女達にとって「おあずけ」が「よし」に成ったことを意味している。俺は、地面に寝かされ、周囲の女達が、続々と群がってくる。音楽が止まったタイミング的に、俺を愛する権利を得た女達は、俺の体を舐めたり、口づけをしたり・・・そんな中、1人の女が、俺の、チンポを口に含んだ!そして、俺の勃起がMAXに達したところで、チンポをしゃぶっていた美女が俺の股間に跨がる。勃たせた女が俺と交わる権利を得るのだ。悔し紛れに、他の美女が俺の顔面に跨がる。別の美女が乳房を押し付けてくる。

90秒後、俺は女の中に射精をして、第1ラウンド終了。
俺は、快楽の笑みを浮かべながら、女達に持ち上げられ、再び流されたオクラホマミキサーに合わせて、大玉送りのように、手の平で送り始める。

次にBGMが鳴り止む時、俺はどんな美女に跨がられるのだろうか?
次は自分の番だと順番待ちをする美女達は、数えきれないくらい多数いる・・・。

「はっはっは!慌てるなよ!俺は逃げも隠れもしないぜ!
 まだ当分、この祭りを終わらせるつもりもない!」

本日のパーティーのメインでディッシュは俺様である。俺は、今から、東京ドーム5個分の敷地に集まった美女達に廻されるのである!一体、何人の美女がいるのかは解らないが、だいたい、東京ドーム1個分の女達に俺の精子が行き渡るまで、この祭りは終わらない。







目覚めて時間を見たら、10時少し前だった。東京ドーム5個分の美女達に廻されるなんて、なんて素敵な夢なんだろうか?・・・と思いつつ、俺は腹が立って仕方がなかった。
何故なら、俺は、こんな夢は見ていない。仮面歩行者が勝手に「ゾルダ3世が見た夢」を捏造しているのだ!
これでは、まるで俺が、阿呆でエロい夢しか見ない男だと思われてしまうではないか。しかも、部下が伊達たちフンドシ族・・・つまり、俺がフンドシ族の頭目のような扱いである。
自分(仮面歩行者)が「見た夢をあまり覚えてないから書けない」からって、俺(ゾルダ3世)の夢を捏造するなんて、何様のつもりなんだろうか?

俺が仮面歩行者の夢の続きを書いたのは、本人からの前フリがあったからだぞ!

俺は、北側の空を睨み付けて「精子の溺れて氏ね、薄汚いクソ野郎」と仮面歩行者に呪いの言葉を投げかけてから、特にすることもないので、2度寝をするのであった。



-天界・赤髪海賊団アジト跡地-

宴を終えて雑魚寝をしていた伊達が、時折うなされる。
硬く閉じられた目、眉間に寄せた深いしわ、止めどなく流れ落ちる汗・・・穏やかな眠りではないようだ。








とある休日・・・伊達は、何故か、遥と2人で街へ買い物に出かけた。よく解らないんだけど、遥が「じきに生まれる新しい命を飾る為の服を買いたい」と言った為である。
不意に足を止める遥。露天のソフトクリーム店で「期間限定・アムロ専用ソフトクリーム&シャア専用ソフトクリーム」が売っているらしい。シャア専用ソフトクリームを欲しがった遥をベンチに座らせて荷物を置き、伊達は売店へ・・・
エンジンの咆哮・・・タイヤの軋む音・・・クラクション・・・そして悲鳴。
何事かと振り向いた眼に映ったのは、1台の車が暴走して人々を追いかけ、次々と跳ね飛ばす光景。
次のターゲットに選ばれて必死に逃げてるのは遥だった。しかし、逃走虚しく、撥ね飛ばされ、空中で弧を描いて地に叩きつけられた。

「遥・・・おいっ!!」
「・・・シャア専用・・・ソフトクリーム・・・・」
「スマン!売り切れだった!だからアムロ専用を買ったぞ!」
「ア、アムロなんて・・・い、いや・・・私は・・・シャア専用が・・・」
「無茶を言うな!売り切れなんだから仕方がないだろう!!」
「シャ・・・ア・・・ぁ・・・ぁ・・・・・・・ぐっ!!」

遥は、何か言おうとしてガックリ首を垂れた。伊達は、揺さぶりながら必死で呼びかけるが、遥はそれきり動かなかった。

一方、暴走車は電柱に正面衝突して止まった。ドアを開けてよろめきながら出てくる男・・・目が窪み頬がこけて青ざめた顔。まるで、うどんを腹一杯食べた直後のようだった。
だが、伊達の予想は外れていた。後に知った事だが、暴走車の運転手は、危険ドラッグの常習犯だった。

数日後、ミラーライダーの力を得た伊達は、危険ドラッグ売人の元締めを潰す為に、龍神会のトップ・龍山剛太郎を襲い、ミラーワールドに引きずり込んで、タイムリミットで自然に消え去るまで放っておいた。

「外道が・・・・地獄に堕ちろ」

龍山は、死の恐怖に怯えた表情で、人の物とは思えない絶叫を上げる。ほんの数分が、奴には永遠に感じられた事だろう。







「うっ・・・うわぁぁぁぁぁっっっっっ!!!」

汗ダクになって飛び起きる伊達。恐ろしい夢だった。数日前に知り合ったばかりの遥が事故死をして、伊達が善人の龍山を殺害する。何でこんな、ワケの解らない夢を見るのだろうか?全く理解できない。
遥が子を身籠もっている?龍山が暴力団の親分?有り得ない。何を根拠にして、こんな夢を見たのだろうか?

手の甲で額の汗を拭って周りを見ると、自分の隣では遥がスヤスヤと、少し離れた所では石松がブヒブヒと、静かに寝息を立てている。あのおぞましき出来事は、悪夢の中だけ。現実は至って平穏である。

「フッ!この女が俺の子を身籠もるとか、うどん屋の善良オヤジが極悪人なんて・・・あるわけがない。」

伊達は、それが夢だったことを確認して、安堵の息を着き、横になって再び眠りに着くのであった。

ちなみに、二度寝後の伊達が見た夢は・・・
伊達&光実&凰蓮が、時の狭間に行って、ゼロライナーを制圧する為に強襲するんだけど、ハナと出くわした途端に「姫様?」「私をハナと知って銃を向けるのですか?」「し、しかし」的な動揺しちゃう展開になって、その隙を突いた衛兵に銃で撃たれて被弾して致命傷を負い、「伊達昌平、戦いの中で戦いを忘れた!」とか「見ておくがいい!戦いに敗れるとはこういうことだぁっ!!」と良いながら、手榴弾を抱えてゼロライナーから飛び降りて爆死をするって・・・まるでランバラルみたいな夢だった。
 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編97改訂版

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2017年 5月15日(月)22時53分10秒
返信・引用 編集済
  > No.812[元記事へ]

―仏4号の自宅だった場所―

健気で優しい3人娘+美穂は、相変わらず避難者達へ美味しい蟹汁(須藤ボディーの煮込み)の炊き出しを続けていた。が、少々困った事態が勃発。
さっきまで隣にいた“うどん屋のおじちゃん”が、気がついたら消えちゃってた。後を任された店員らしきDQN共が配給を続けてたけど、途中で材料が
無くなってしまい、DQN共は申し訳なさそうに「すいません。仕込みして、また来ます」と、ペコペコ頭を下げながら帰ってしまった。
そんなワケで選択肢の無くなった避難民達が、蟹汁に長蛇の列を作ってる。しかも数が増えている。幾ら巨体な須藤ボディーが材料でも限度がある。
大至急、新しい材料を調達しなければならん。

「あ~あ~、何とかしてよ妖怪娘・・・美穂よ」
「クレハ~!どうしよう!?とても足りないよ!・・・亜美でーす」
「新しいクラブ・スープを作らねば、皆に行き渡らない・・・ジャンヌだ」
「ぅ~ん・・・・・・」

“総料理長”なポジションの紅葉が、自然と頼られてしまう。困った紅葉は腕組みして首をチョコンと傾げ、考えに耽りながら辺りを見回した・・・・・
やがて良いアイデアが浮かんだらしくてパア~っと明るい表情になり、美穂・亜美・ジャンヌに「ちょっと待っててね!」と元気に告げながらYOUKAIスマホを
取り出して、仮面ライダーゲンジに変身。巴薙刀を振り回しながら駆けてった。ちょっと離れたとこで、ショッカーのカニバブラー&デストロンのカニレーザー&
ゲドンのカニ獣人が暴れてるとこへ突撃!!巴薙刀の刃が空を切る光が四閃ばかり煌めいたら、3匹のカニ怪人は断末魔の悲鳴を上げる間もなく解体された!!
念の為に材料を調べ、カニバブラーとカニ獣人の毒泡発生器官を切除。カニレーザーも、レーザー光線発射装置を切除&斧と盾とマントは要らないから捨てる。
YOUKAIスマホの画面に「超でっかぃジプロック」と書いて巨大ジプロックを召喚して詰め込み、意気揚々と戻って調理を開始した。


♪♪♪♪♪♪紅葉のぉ料理教室♪♪♪♪♪♪

♪ちゃんちゃらちゃらちゃら ♪ぷっぷくぷぅ~
今日ゎ、簡単で美味しぃ蟹汁を作るょっ!!PC前の皆、メモの用意!!楽しく作って、美味しく食べょぅっ!!
(背景が水色の壁で、虹とか草原とか小さなお家なんぞが描かれてる。ぬいぐるみの音楽隊が、陽気なメロディーを奏でる)

◎材料◎

カニを適量
ネギとかニンジンとか大根とか、ぉ好みの野菜
ぉ味噌
煮切ったぉ酒

※ぁったら、ぉ麩ゃコンニャクを入れても美味しぃょ!※


◎作り方◎

「カニを肉とカニミソと殻に分けま~すっ」

エプロン姿の紅葉が、時折カメラにキュピーンな笑顔を向けつつ、カニバブラーとカニレーザーとカニ獣人の斬殺死体を出刃包丁で解体。
カニだけど人間の要素も混ざった素材なんで、「それ、どう見ても人間の内臓だろ?」ってパーツも混ざってるし、鮮血が飛び散って
エプロンやマナ板なんぞが真っ赤に染まってる。

「野菜を食べゃすぃ大きさに切りま~すっ」

ここは普通に野菜を切ってるだけなんで、美少女JKがニコニコしながら野菜を切る微笑ましいシーン。

「殻を適当に砕いてフラィパンで乾煎りしてから、ネットに詰めま~すっ」

時折カメラにキュピーンな笑顔を向けつつ、100tハンマーで怪人達の残骸をバッキンバッキン砕き、巨大なフライパンに
放り込んで炙る・・・・・よ~く見ると、指とか人間的なパーツがチラホラしてるけど、紅葉は気にする素振り無し。

「カニ肉と野菜と殻をぉ鍋に入れて、浸るくらぃに水を張って、中火で煮ま~すっ」

カニ肉にしては哺乳類の肉っぽいモノと野菜と殻とを、大鍋に入れてグツグツ煮込む。

「カニミソをミキサーにかけて、ぉ味噌を混ぜてからぉ酒で柔らかくしま~すっ」

「それ、どう見ても人間の内臓だろ?」ってパーツも混ざってる鮮血混じりの“カニミソ”を、ミキサーでグッチャグチャにしてから
味噌と一緒に掻き混ぜ、煮切り酒を加えてドロドロした得体の知れないモノにして、量が量なんでバケツに入れる。

「カニ肉と野菜が柔らかくなったら殻を取り出して、さっきのカニミソ溶かして、軽く煮込んだら完成~っ!!」

いちおう料理らしい見た目になったゲテモノが完成。見本として、1人前の量を可愛らしいホーローの小鍋によそって、
お洒落な鍋敷きに乗せる・・・・・・・「考えたら、人間の要素もあるんだよな」って事を忘れさえすれば、かなり美味そうに見える。

♪ちゃんちゃらちゃらちゃら ♪ぷっぷくぷぅ~ ♪ぶんちゃっちゃ~ぶんちゃっちゃ~
(ぬいぐるみの音楽隊がエンディングを演奏。紅葉がキュッピキュピな笑顔で、カメラに両手を振ってる)

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


ってな感じで、追加の蟹汁が完成・・・・だが暫くは間に合ってたんだけど、またも足りなくなってしまった。
紅葉達は知るはず無いけど、周辺の避難民に加えて、赤髪海賊団とS●APの抗争で住処を失ったマンションの住人達まで加わっちゃってるのだ。
うどん屋のDQN共は、仕込みに手間取ってるのか戻る気配なし。自分達で何とかしなけりゃならん。紅葉は再び変身して、材料の調達に出かけるのであった
ちょっと離れた場所で、間違いで極楽へ来ちゃった怪人共が相変わらず暴れている。ゲンジが「とりゃああああ!!!」と叫びながら突っ込んでった先では、
ゲルショッカーの怪人達がいた・・・・・・・・・・・材料調達(殺戮)開始!!!この際、シーフードに拘りはない。食えそうな奴なら、何でも構わん!!!

①ガニコウモル:カニ+コウモリ=蟹の部分は食えるけど、コウモリはキモい→巴薙刀で切り刻んで、蟹の部分だけ残す。
②サソリトカゲス:サソリ+トカゲ=食える部分無し。サソリもトカゲもキモい→完膚なきまで叩き潰す。
③イノカブトン:イノシシ+カブトムシ=イノシシの部分は食える→巴薙刀で切り刻んんで、イノシシの部分だけ残す。
④イソギンジャガー:イソギンチャク+ジャガー=食える部分無し→完膚なきまで叩き潰す。
⑤ウツボガメス:ウツボ+カメ=どっちも調理次第で食えそうなんで、とりあえず切り刻む。
⑥ワシカマギリ:ワシ+カマキリ=食える部分無し→完膚なきまで叩き潰す。
⑦クモライオン:クモ+ライオン=食える部分無し。てゆ~かクモがキモい→完膚なきまで叩き潰す。
⑧カナリコブラ:カナリヤ+コブラ=食える部分無し。てゆ~かコブラがキモい→完膚なきまで叩き潰す。

・・・3匹連続で使い物にならない奴だったんで、ちょっと苛々しながら材料調達(殺戮)を続ける。

⑨ネズコンドル=ネズミ+コンドル=食える部分無し→完膚なきまで叩き潰す。
⑩ムカデタイガー=ムカデ+トラ=食える部分無し。てゆ~かムカデがキモい→完膚なきまで叩き潰す。
⑪ハエトリバチ=ハエトリソウ+ハチ=食える部分無し→完膚なきまで叩き潰す。

食えない奴等が6匹も続いたんで、かなり苛々しながら材料調達(殺戮)を続ける。だがしかし、次に現れやがったのはショッカーライダー1号~6号だった。
こんなのが材料にならんのは、考えるまでもない。苛々が頂点に達しちゃったゲンジは、アカシックバスターを発動!!まとめて炭にしてやった!!

⑫エイドクガー:エイ+毒蛾=食える部分無し。てゆ~か、蛾がキモい→完膚なきまで叩き潰す。
⑬ナメクジキノコ:ナメクジ+キノコ=キノコは食えるけど、ナメクジがキモい→巴薙刀で切り刻んで、キノコの部分だけ残す。
⑭ガラオックス:ガラガラヘビ+牛=牛は食えるけど、ヘビがキモい→巴薙刀で切り刻んで、牛の部分だけ残す。
⑮サボテンバット:サボテン+コウモリ=食える部分無し。コウモリがキモい→完膚なきまで叩き潰す。
⑯ヒルカメレオン:ヒル+カメレオン=食える部分無し。てゆ~かヒルがキモい→完膚なきまで叩き潰す。

かくして材料調達(ゲルショッカー壊滅)したゲンジは、苦労した割に収穫が少なくて機嫌を損ねながら戻って来て、調理を開始するのであった。
ちなみに配給所では、たんこぶや青タンだらけになった真司と燕真が手伝いをしてる。このクソ忙しいのに『焔・劇場版』に夢中になっていやがったんで、
怒り狂った美穂から散々どつき回されてから連行されたのだ。

「なあ・・・・・あの猛獣なんだけど」
「紅葉が、どうかしたか?」
「燕真から、きつく言ってくれ・・・『怪人を料理の材料にするな』ってさ」
「ああ・・・・言うには言っとくよ。聞き入れるかどうか自信ね~けど」
「他人事じゃねえんだよ、燕真も被害者だぞ」
「え、俺が!?」
「うん」
「怪人料理ねぇ・・・さっきの蟹汁以外に、食った憶えなんて無いぞ」
「・・・・・183話で、おにぎり食ったろ」
「ああ、イカの塩辛のな!あれ美味かったなあ~」
「今だから言うけど、あれイカデビルだから」


し~ん。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジすか?」
「うん」
「何で、その場で言ってくれないんだよっ!?」
「めっさ喜んで『美味い、美味い』って食ってんの、ワザワザ不快にする必要もね~だろ」
「う~ん~・・・・・・その気持ちは有難いけど・・・・今になって気持ちわり~・・・・」

なんて感じで揉めてたら・・・チャチャっと調理を終えた紅葉が鍋を抱えてきて、そこでようやく傷だらけの真司と燕真に気がついた。
恋する乙女は「何事!?」って感じで燕真に駆け寄り、「ぎゃあああ!?」とか「痛くなぃ!?」とか「全治何ヶ月?」だとか怒鳴り散らしつつ手当てし、
最後に「何で、こんなんなったの?」と訊かれたんで、とっても正直者な燕真くんは「ちょっと霧島さんに・・・」と答えちゃったんで、さあ大変。

「こらぁ~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!美穂~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!」
「え、何よ・・・・」
「ぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおりゃぁぁぁあああああああああ~~~~~~~~っ!!!!!!」
「!?・・・・・・ぐあああああっ!?!?」

呼ばれて振り向いた美穂の顔面に、電光石火のエルボーが炸裂!!美穂は盛大に鼻血を噴きつつも、瞬時に怒りの沸点を通過して逆襲に転ずる!!
「いきなり何すんのよ妖怪娘!!」と、胸に水平チョップを叩き込む!!大事な彼氏を痛めつけられて怒り心頭な紅葉が「ょくも燕真を殴ったなぁ!!」と、
喉に地獄突き!!「あのバカが、忙しいのに手伝いもしないからよ!!」と蝶野正洋ばりのヤクザキック・・・・そんな感じで生身の取っ組み合いが暫し続き、
やがてどちらからともなく互いの変身アイテムを取り出して、ゲンジとファムに変身!!毎度のコミュニケーション(ガチの殺し合い)が開始されるのであった!!
 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編96書き直し

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2017年 5月14日(日)18時24分37秒
返信・引用
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―赤髪海賊団アジト(マンション)の前―

「あっしが行くおっは~deマヨチュチュ~でござんす」

まずは、サーモスキート・ザトーイチが動いた。仕込み杖の柄を右の逆手で握りながら、虎武魏の声がする方へ歩んでく・・・・
とは言っても、足元がおぼつかない。グタグタ書いてたら長くなっちゃったけども、実際は急に盲目になってから数分しか経ってないのだ。
本物の座頭市や、漫画に出てくる盲目の強豪キャラみたいな【心眼】的なモノなど、会得しているはずがない。3歩ばかり踏み出したとこで
躓いて転んで、膝小僧を擦りむいて「いててて」と呻いてる体たらく。

「どうしたっ蚊取!?俺は、ここにいるぞっ!!」
「くっ・・・・・どうすれば良いんだおっは~deマヨチュチュ~でござんす!?」

サーモスキート・ザトーイチは暫し悩み、やがて良いアイデアが浮かんだらしい。明るい表情になって『ポンッ』って効果音と共に頭上に電球を浮かべる。
そして左手で仕込み杖を持ち、右手のマヨネーズの蓋を親指でパチンと弾いて開け、虎武魏の声がする方を目掛けてマヨネーズを撒き散らした!!

「秘剣≪暗闇殺法・マヨビーム斬り≫だおっは~deマヨチュッチュ~でござんす!!」
「・・・・・・むっ?」

宙に撒き散らされたマヨネーズは、一平ちゃん夜店の焼きそばのパッケージ写真の如く、ある種の美しささえ感じる≪マヨビーム≫を形成!!
サーモスキート・ザトーイチと虎武魏との直線上に、規則正しい模様を描いて撒かれる!!そしてどんな原理か知らんけれども、サーモスキートは
撒き散らされた≪マヨビーム≫に依って、虎武魏の正確な位置とか、そこまでにある障害物とかを全て把握した!!マヨネーズを放り捨て、素早い
フットワークで一気に間合いを詰めながら、右逆手で抜刀して身を沈める!!仁王立ちで、真っ向から受けて立つ虎武魏!!

「ハアアアアアアアアアッ!!!」
「甘あああああああいっ!!!!」

愛の鉄拳が炸裂!!『パキーン!!』『ゴッ!!』って音が立て続けに響く!!サーモスキート・ザトーイチの刀を横殴りに叩き折り、そのまま頬をブン殴った!!
耳を澄ませば『キーン』って効果音が聴こえそうな勢いで、数mばかり飛ばされて瓦礫に激突!!アスファルトに倒れ伏し、白目を剥いて泡を吹いて気絶!!
想像以上な虎武魏の実力に、いきり立ってたS●APメンバーに動揺が走る・・・だがたいして間を置かず、今度はキノコ男・卍が進み出た。

「ぶっちゃけ、なかなかやるなっ!!」
「次は木野子か!!どこからでも来いっ!!」

改名と同時に羽織ってた派手な着流しの裾から、何て言うのか知らんけど奇妙な形の2丁小刀を取り出した。柄の先端に付いた穴に指を突っ込んで
ヒュンヒュン回してスチャっと構え、不敵な表情でジリジリ迫る。悠然と仁王立ちな虎武魏・・・・・・・激突!!
と思ったら、キノコ男・卍がスッ転んだ。タラタラ書いてたら長くなっちゃったけども、実際は急に隻眼になっちゃってから数分しか経ってないのだ。
狭くなった視野に慣れてなく、遠近感も狂っちゃってた。その所為で、斬りかかろうとした瞬間に地面の亀裂に爪先を突っ込んで躓いたのである。
勢い余って前のめりで宙に浮き、手足をバタつかせながら虎武魏に突っ込んでしまう。

「ちょ、待てよっ!!」
「でえええええええええええええええいっ!!!!」

愛の鉄拳がカウンターで炸裂!!キノコ男・卍は脳天をしこたまどつかれ、大の字でバチコ~ンと地面に激突!!「ぶっちゃけ、いてえ~~~っ」と呟いてから
ガックリと頭を垂れ、白目を剥いて泡を吹いて気絶した!!キノコ男・卍まで一撃でやられちゃったんで、いきり立ってたS●APメンバーに動揺が走る!!

「もりもりっ!!次は俺だもりっ!!」
「蛞蝓・・・・これ以上、無駄な争いは止めんか?」
「今さら、おめおめ引っ込めないもりっ!!」
「・・・・・・・仕方が無い、相手になろう」

デモンスラッグが進み出た。≪ギャグストーリーのお約束≫で、先刻の左股関節脱臼骨折は治っている。特に派手派手しくはないけれども、デモンスラッグには
『ヌメヌメな身体で打撃が効かない』って利点がある。果たして、虎武魏のパンチが有効なのか!?・・・そんなこんなしてる間に激突!!

「もりもりっ!!喰らえ~~~~っ!!」
「ふううううううううううううううんんんんんっっ!!!!」

ばちこ~ん!! 愛の鉄拳が炸裂し、デモンスラッグが呆気なく倒された!!瞬く間に3人やられちゃって、残りメンバーが明らかに動揺してる。
てゆ~か、すっかり蚊帳の外で見物人と化してた赤髪海賊団も・・・特に、伊達と遥がビックリしてた。

「嘘っ!?シャンクス(伊達)の攻撃が効かなかったのに、一撃で!?」
「う~ん・・・・変身してるから、パワーが違うのかな?」
「シャンクスでしょっ!!何で≪武装色の覇気≫を使わなかったのよっ!?」
「いや、あの・・・・・『シャンクスでしょ』って言われたって、格好だけだから・・・」

夫婦ですったもんだしてる間に、残ったロイヤルアースワームとダークローチ・キンダイチとヒデモンキー・カイニナリタイが、虎武魏を遠巻きに囲んでいる。

「ロイヤル~・・・・何故だ!?蛞蝓のヌメヌメな身体に、打撃は効かないはずなのに!?」
「どわっはっはっはっ!!!知りたいか!?
 ・・・・・・・・俺の≪愛を込めた鉄拳≫の前に、そんな小細工は通用せんのだあっ!!!」

♪バババ~ン!! 効果音が鳴り響き、虎武魏の拳がアップ!!驚愕するS●APと赤髪海賊団の顔が次々と映る!!

「ゴキ~・・・・愛・・・だと・・・?」
「私は貝になりたいウキッ・・・さすがだウキ・・・」

怯むS●AP・・・その一方で遥が、虎武魏の発したワードの1つに過剰反応していきり立った!!

「あ・・・≪愛の鉄拳≫ですって!?」
「ん?どうしたはる・・・・じゃなくてベックマン?」
「ぶひぃ・・・何事だぶぅ~?」

遥は度を越えた驚きで、仲間達の声が耳に入らないらしい。キッと険しい表情で進み出て、固く握った拳を震わせながら虎武魏に寄って行く。

「・・・・・・龍山さん」
「ん?・・・・・どうしたんだい遥ちゃん?危ないから下がってなさい」
「う・・・・うるさいっ!!偉そうに命令するなっ!!」
「・・・・・・・???????」
「只者じゃないとは思ってたけど・・・・・
 まさか、海軍中将モンキー・D・ガーブだったなんてっ!!!」
「ん~~~~~~~~?・・・ちょっと、何言ってるか解らないのだが?」
「とぼけるなっ!!ナメクジさえ殴った≪愛の鉄拳≫が、何よりの証拠だああっ!!」

なりきりバカ女が、また斜め上の方向に暴走開始。赤髪海賊団は「ここでもワンピースネタを引っ張り出すか?」と、揃って頭を抱えて座り込んでしまった。
そんな3人に遥が鬼の形相で迫り、腕を引っ張りながら檄を飛ばしやがる。

「野郎共っ!!戦争だあ~~~~っ!!!!」
「おいおい・・・龍山さん相手に何を」
「良く知らぬが、あの人は危機を救ってくれた恩人だろう?」
「ぶひっ・・・それに知り合いみたいだぶぅ~」

騒ぎ立てるバカ女を3人が宥めてる間に、ロイヤルアースワームとダークローチ・キンダイチとヒデモンキー・カイニナリタイは、これと言った見せ場も無く
≪愛の鉄拳≫を1発ずつ脳天や頬に喰らって昏倒。1人で勝手にエキサイトしてるのは、遥だけになってしまった。

「うるさいっ!!たとえ命の恩人だろうと、海軍なら海賊の天敵じゃないのっ!!
 しかもモンキー・D・ガーブ中将よっ!!限りなく大将に近い実力で『英雄』って称えられてんだよっ!!」
「生憎だが、俺はワンピースを読んでないから知らん!!
 仮に熱烈ファンだったとして、危機を救ってくれた恩人に手を上げるなど断る!!・・・ギャレンだ」
「ぶひぃ~・・・てゆ~か遥しゃん、ちょっと落ち着くぶぅ~・・・
 のめり込み過ぎで、現実とワンピース世界の境界がゴチャゴチャだぶぅ~」

騒ぎ立てるバカ女を宥める一方で、虎武魏が気絶してたり「いててて」と呻いてたりするS●APの面々に、手を差し伸ばして起こしてやってる。
話の流れで反抗してみたモノの、龍山の懐の深さは知っている。その上で圧倒的な実力差を見せつけられ、もはやS●APに戦う気は無くなっていた。
♪たんたた たたんた フッフッフゥ~ ♪愛は奇蹟を信じる力よぉ~ ♪孤独が魂(こころ)閉じ込めても~
何処からともなく『HERO』が聴こえ、「貴様達はゼロか!!ゼロな人間かあ~っ!!」「それで悔しくないのか!!」「悔しいですっ!!」って、
とある有名なドラマで聞いたような台詞が、涙混じりで響き渡ってる。あっちの方は、虎武魏に任せときゃ丸く収まりそうだ。

「海軍中将を前に、尻尾巻いて引っ込むの!?それでも赤髪海賊団!?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ぶひ・・・」
「もういいっ!!誰も行かないなら、私1人でも戦うっ!!・・・それ貸してっ!」
「あああっ、こらあっ!!!・・・ギャレンだ!!」

ギャレンに詰め寄った遥が、ベルトのホルスターからギャレンラウザーを引っこ抜いた!!そしてツカツカと足音も荒く虎武魏に迫ろうとしたら・・・
すっかり存在感が薄れちゃってた伊達が、遥の前にヌッと立ち塞がって無言で見下ろす。

「何で邪魔すんのっ!?退いてよっ!!」
「・・・・・・・・・・遥」

パンッ  伊達のビンタが遥の頬を張る。遥は「何が起こったの?」って言いたげに暫し呆け、続いて叩かれた頬を押さえて目に涙を溢れさせた。
で・・・・・叩いた伊達の方もビックリして、オタオタした表情で自分の掌を見つめてる。何故だ?ちんぽでヒイヒイ鳴かせるなら毎度のパターンだが、
よりによって女性をビンタで泣かしてしまうとは?・・・・おそらく『相手が遥だから叩けた』のかも知れない。現世で嫁だった事を記憶から消しちゃってる
けれども、無意識では「他のセフレと違う」と感じでいたのだろう。

「遥・・・・・もう、この辺で止めよう」
「しょう・・・ちゃん・・・」
「アニメやコスプレは楽しい・・・
 でも、色々やり過ぎたり、他人に無理強いしたりするのは良くないぞ」
「しょうちゃん・・・・・・・ひっく・・・・・・」

遥の頬を、大粒の涙がハラハラと流れ落ち、顔をキュッと歪めて口をへの字に曲げ・・・・・伊達に抱きついて「わ~ん」と大声で泣き出した。
それを無言で抱き寄せて、優しく髪を撫でる伊達。ひとしきり泣いたら落ち着いたのか、遥は涙を手の甲でゴシゴシ拭ってから照れ臭そうな笑顔を浮かべた。

「そうだよね・・・・・ちょっと、やりすぎちゃったかな・・・ごめん」
「解ってくれりゃいいさ。程々にだったら、これからも付き合おう」
「うん・・・・・でも、私が最初にガンダムにハマったのって、しょうちゃんの影響だよ」



し~ん。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだっけ?」
「そうだよぉ~。付き合いだして直ぐの頃『騙されたと思って観てみろ』って、超勧められてさ~。
 最初は渋々だったけど、そのうち面白くなってハマっちゃったんだよぉ~!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも私だけ先に、こっち来ちゃったじゃん。そのうちしょうちゃんが来た時に、
 また一緒に楽しもうと思って、色々と用意して待ってたんだよ~!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まあ、私は池田秀一さんの声に痺れちゃって、シャア派になっちゃったけど!
 しょうちゃんは確か、ランバ・ラルが好きだったっけ。他の作品でも、武将っぽいキャラが好きだよね!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う~ん・・・」

何たる事か、元々のキッカケが自分だったとは。我ながら『諭すシーン、ちょっとカッコよくね』と思ってた伊達は、遥を抱き寄せたまま固まった。
てゆ~か色々あり過ぎて、肝心な事をコロッと忘れてた。極楽で遥と出会ってから丸1日が経ったけれども、相変わらず彼女との事が思い出せないのだ。
再会(伊達としては初対面)して、今日の午前中に勢いで入籍しちゃったけど・・・現世では、どんな出会いや交際をしてたのか?
てゆ~か『遥が“痛い子”だった原因が自分だった』ってのがショックである。気がついたら美女を抱きまくる毎日だったが、俺はガンダム好きだったのか?

「どうやら、そっちも落ち着いたようだね」
「あ、龍山さん」
「お騒がせしました、ごめんなさい」

魂の説得を終了した変身解除が、変身解除して微笑みながら寄って来る。その後ろから、S●APがゾロゾロ付いて来た。

「コイツ等、根は素直なんですよ・・・ヤンチャは卒業して、俺の店で働く事になりました」
「・・・・へぇ~」
「さすが龍山さんですね」
「ほら、オマエ等!握手して仲直りだっ!」
「ロイヤル~・・・・・・・・はい」
「ぶっちゃけ、悪かったな」
「いや・・・仕掛けたの私だし、こっちこそゴメンね」

きまり悪そうに頭ポリポリ掻いてたS●APが、龍山に促されて照れ臭そうに右手を差し出して来た。応じた赤髪海賊団も右手を差し出して握手を交わし、
拳と拳をコツンとぶつけ、ハグして背中をポンポン叩き合い・・・・たらたら続いた諍いが、龍山の登場でコロッとハッピーエンドを迎えた。

「はっはっはっ!・・・
 それより皆、腹が減ってんじゃないか?解決したとこで、うどんでも食え!」
「あ、すいません」
「ぶひぃ!御馳走になりますぶぅ~!」
「直ぐ作るから、待ってろよっ!」

龍山が豪快に笑いながら、リヤカーからコンロやら材料やら下ろして調理開始。赤髪海賊団&S●APは、社会科見学の小学生みたいに大人しく見物する・・・
まず大釜に水を満たして火にかけた。そして湯が沸く間に、長ネギを取り出してまな板に置き、手入れの行き届いたピカピカの包丁で「トトトトトトト」と
薄く均一に刻んでいく。見事な手際で刻みネギを拵え、続いて紅カマボコを薄切りにする。そんなこんなしてる間に湯が沸いた。
うどんを大釜に放り込み、冷えた丼に湯を注いで温める。生ワカメを小さな笊に入れ、大釜から汲んだ湯をかけてサッと色が変わったのを、氷水で締めてから刻む。
暖まった丼の湯を捨てる。やがて、うどんが茹で上がった。巨大な笊で掬い取り、念入りに湯切りしてから丼に分け入れ、保温容器で持ってきた熱々の出汁を注ぐ。
刻みネギとカマボコとワカメを手際よく並べ、仕上げに揚げ玉どっさり。とっても美味しそうな、かけうどんが出来上がり!!

(ぶひっ!?・・・・そう言えば・・・・
 龍山さんとやら、エテ公がウンコ掴んだ手を握りしめてたぶぅ~っ!!
 ちゃんと洗って消毒したんかいのう?てゆ~か、エテ公と仲直りの握手とハグしてもうたぶぅ~っ!!)

皆が満面の笑顔で受け取って、元気に「頂きま~す!!」と挨拶して嬉しそうに食いだしたんだけども、デブだけが重大事項を思い出して顔を引きつらせた。
その隣では「ズルッ!ズルッ!」って勢いよく啜る音や「コシが凄くて、喉越しツルツルで美味しい~っ!!」「出汁も美味いぞ!!」なんて絶賛する声がしてる。

「どうしたのルウ・・・・じゃなくて・・・・・・・・ごめん、何て名前だっけ?」
「ぶひぃ~・・・おいどん石松英邦だぶぅ~」
「石松くん、うどん嫌いなの?」
「ぶひぃ~・・・・・に、肉を食べ過ぎたかのう?お腹いっぱいだぶぅ~」
「そっか・・・・ごめんね、私の所為で」
「ぶひぃ~・・・・気にしないでくんしゃい(助かったぶぅ~)」

その一方で伊達は、うどんを堪能しつつ心の底で引っかかるモノを感じて、箸の進みが遅かった。

(何故だ?とっても美味いのに、素直に褒めちゃいけない気がするのは?
 龍山さんは非の打ちどころ無い善人だが、何だか引っかかる。『虎武魏』って名前にも、何か引っかかる。
 ・・・・てゆ~か、過去の俺はガンダムオタだったのか?遥が“痛い子”な遠因が、俺だったとは。そもそも遥って何者だ?)

伊達のクセに、いっちょまえに物思いに耽ってしまった・・・『世界中の小麦粉を殲滅する』などと言う大それた野望は、とっくの昔に忘れてる。
ちなみに龍山氏が極楽にいる原因も忘れてる。それに『遥が“痛い子”になってた元々の原因が自分だった』と言う驚愕の事実もショックだった。
でもまあ、暫くしたらどうでもよくなっちゃった。デブが食わないうどんを「いらんなら、俺にくれ」と貰って平らげ、その後も龍山に勧められるまま、
もう1杯おかわりした。うどんで腹を満たした一同は、近所のスーパーで飲み物と肴を買い込んで、赤髪海賊団アジト跡地でキャンプファイヤーを焚いて、
飲めや歌えの宴を開始。深夜まで騒いでから、瓦礫の中から適当に掻き集めた布団をひいて雑魚寝したのであった。
 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編94

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2017年 5月 9日(火)10時17分17秒
返信・引用
  ―仮面歩行者氏の夢の続き―

ここは新潟県某所の郊外にある、小高い山である。ハイキングコースをテクテク歩けば1時間ばかりで山頂だが、たいがいの人達はロープウェイを利用する。
昼は四季の花とか、眼下に広がる街並みと田園風景や、遠くの山々なんぞが人々を和ませる。そして夜は、煌びやかな夜景を目当てに訪れるカップル達で賑わう。
全国区で名を知られてこそいないが、地元ではなかなかの人気スポットだ・・・ちなみに、そんな場所がホントにあるかどうかは知らん。

「わあ~っ!何時見ても素敵な夜景だね、仮面くん!」
「・・・・・・・・・・・・・」

無邪気にはしゃぎながらトトトと駆けて、手摺り越しに夜景を眺めてる“のんちゃん”の後姿を、仮面歩行者氏は緊張しつつも微笑ましい表情で眺めていた。
遊び仲間達は気を利かせてくれてるのか?それぞれの相手と三々五々に散っていて、売店で買ったソフトクリームを舐めながら自分達の世界に浸ってる。
余談だが他の男達と一緒な女子は、呉羽ちゃんと愛海ちゃんと言う芸能人でも通用する美少女だ。だが、仮面歩行者氏の目には“のんちゃん”しか映ってない。
黒髪のショートボブカット。飾らない質素なメガネ。肥っているわけではないがスリムってワケでもない大柄な体。文句のつけようがない。

「なあ?・・・見世物小屋のイベントやるなんて告知あったっけ?」
「まさか、平成だよ。オカマじゃないの?」
「だよな・・・・それにしても、ひでえな」
「ジロジロ見ちゃダメ。何か、呪い的なモノが憑いちゃうよ」
「うん・・・・あっちでラムネでも飲もか」

佐々木希・・・・ではなくてフットボールアワー岩尾望を、さらに5ランク程度ダウンさせた容貌。通称“のんちゃん”に、周りのカップル達がドン引きしてる。
だが、それがどうした!!仮面歩行者氏にしてみれば、他の女なんぞクズ!!“のんちゃん”こそ至高!!
仮面歩行者氏は今夜、彼女と一線を越える決意を秘めて、ここを訪れたのだ。ジャケットのポケットに突っ込んである小箱を、緊張で汗ばんだ手でグッと握りしめる。

(・・・・・い、行くぞ)

仮面歩行者氏が覚悟を決め、指輪の小箱を握りしめながら1歩踏み出した時・・・・到着したロープウェイの扉が開くのももどかしく真司が飛び出してきた。
「うおおおお!!!」と叫びながら真っ直ぐ仮面歩行者氏の元へと走り、立ち塞がって胸倉を掴んで、激しく揺さぶりながら怒鳴りつける。

「いい加減に、目ぇ覚ませアホっ!!」
「え・・・・ちょ・・・何だよ、大事な時に!?」
「その大事な相手が、アレなんだぞ!!良いのかそれで!?」
「いや、そんな事言われたって“のんちゃん”最高だし」
「脳みそにカビ生えたか!?それとも沸騰してんのか!?目ん玉広げて、よぉ~く見ろ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・う~ん・・・・・・」

言われて改めて“のんちゃん”を見る仮面歩行者氏・・・フットボールアワー岩尾を5ランク程度ダウンさせた女が、こっちを向いてニコッと微笑んだ。
100万$の笑顔が、途端に雷雲を呼んで辺りを覆いつくす!!時たま稲妻が走って雷がゴロゴロ鳴り響き、夜だってのにカラスが「グエエ、グエエ」と
不気味に啼きながら飛び回る!!挙句に大粒の雨がポツポツ落ちて来た!!何だかもう「これから魔王でも降臨するんじゃね?」って雰囲気になっちゃった。

「アレの何処が最高の女だ!?納得いく説明しろっ!!」
「う~~~~~ん・・・・・
 言われてみりゃ、時たま『早まるな』『やめておけ』『後悔するぞ』『バカな選択はするな』って声が聴こえる気が」
「それ見ろ!!本能が危険信号を発してんじゃねえか!!素直に従え!!
 てゆ~か現実に帰れ、四十路の妻子持ち!!何だよ『H29春・夢の中の青春』って!?」
「でも、こんだけ盛り上げちゃったよ。今さら、どう収めろと?」
「それは俺に任せろ!!」

真司はポケットから≪アドベントカード≫を取り出してドラグレッダーを召喚。“のんちゃん”を指さして「あれを喰い殺せ」と指示する。
ドラグレッダーは上空から襲いかかって、“のんちゃん”をペロリと一飲みしてしまった・・・・・・だがしかし。
いきなり苦しそうに悶絶し、間もなく「グエエエエエエッ!!!」って唸りながら“のんちゃん”を吐き出し、暫し咳きこんだ後に真司に食ってかかった!!

≪てめえ、変なもん食わせんガウっ!!殺す気ガウっ!!≫
「いや~、これしか方法なくて」
≪俺にも餌の質を選ぶ権利がガウっ!!たいがいにしないと、契約解除しちまガウっ!!≫
「悪かったよっ!!」
≪あ~気持ちわりい・・・口直しで、その辺の奴等を適当に食うガウっ≫
「おい止めろよっ!!むやみに人間を・・・」
≪オメ~の所為ガウっ!!文句垂れんガウっ!!≫

ってなワケで、人気デートスポットが瞬時にして阿鼻叫喚の地獄と化した!!ドラグレッダーが獲物を物色しながら上空を旋回し、美味そうなイケメンやイケ嬢を
見つけると、急降下して喰らいつく!!断末魔の悲鳴と雷鳴とが混じり合った凄い音が響き渡る!!口から滴った血液が、雨に混じって降り注ぐ!!

「・・・・が・め・ん・くぅ~ん・・・」
「ぎ・・・ぎぃえええええええええええええええええええええっ!!!!!!」
「あ・い・ぢ・で・るぅ~・・・・」
「よ、寄るなっ!!寄るなああああああああ!!!!!」

“のんちゃん”が仮面歩行者氏の方へヨタヨタ歩いてくる。一瞬とは言えドラグレッダーの胃液に浸っちゃったんで、そりゃもう酷い有様だ。
髪が半分くらい抜け落ち、顔も全身も溶けて爛れ、片方の目が眼窩からブランブランしていて、頬に穴が空いて歯と頬骨が露出し、手足が変な方を向きetc.
ビビった仮面歩行者氏は、絶叫しながら“のんちゃん”を突き飛ばした!!突き飛ばされた“のんちゃん”は、手摺りを越えて崖を真っ逆さまに転落!!
数秒後に、遥か下の方から『グチャ』って音がした。だいたいの光景は想像できるけど、行って覗き込む勇気なんぞ湧きやしない!!
座り込んでガタガタ震える仮面歩行者氏。その傍らでは、相変わらずドラグレッダーによる血の宴が繰り広げられている!!








相棒殿の『夢へのツッコミをよろしくね!』って期待に応えるべく書き進めてたら、突っ込むどころか輪を掛けた酷い有様になってしまった。
こんなの、どう頑張ってもハッピーエンドに繋げられやしない。俺は手を休めて最初から読み返し、一服して茶を飲んで団子と温泉饅頭を食い、
もっぺん読み返して暫し考え・・・・・・・「知~~~~らねっ」っと呟いてから、自分の担当パートを書く事にするのであった。


―赤髪海賊団アジト(マンション)の前―

うっかりロイヤル超音波を喰らってしまったキノコ男は、余りのショックで聴覚や脳波に異常をきたして・・・・・・・いない。
代わりに何故か、右目が潰れて隻眼になっていて、顔に切り傷が走ってる。そして偶然にも瓦礫の中に落ちてた、様々な形の刀を拾っている。
かくしてキノコ男は、中の人の都合により≪キノコ男・卍≫に進化を遂げた!! http://wwws.warnerbros.co.jp/mugen/

「それにしても・・・予告編を観た感じ、キャストは豪華だけど演出イマイチで、殺陣がショボくね?」

と思って調べたら、三池崇史監督+ワーナーブラザースだった。なるほど、不安の原因が解った。大コケが記憶に新しい『テラフォーマーズ』や、
上映前から大ヒンシュクな『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章』と同じコンビなのである。
この監督の作品は当たりハズレの落差が大きいような気がするけど、これは大丈夫か?耳を澄ますと、原作ファンの怒号が聴こえてくるような気がするぜ。

「ぶっちゃけ、切り刻んでやる!!」
「くっ、しぶとい奴・・・・ギャレンだ」

サーモスキートもロイヤル超音波のダメージで、聴覚と脳波に異常をきたして・・・ない。一時的か永久にか知らんが、何故か視力を失ってしまった。
何処から調達したのか、刀を仕込んだ杖を持っている。そして空いた方の手には、相変わらず業務サイズのマヨネーズを持っている。
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/004/936/18/N000/000/003/127518661793216205543_zatouicithelast-01.jpg
そしてロイヤル超音波でダメになっちゃった朝ごはんを張り切って作り直してるんだけども、目が見えないもんだから色々と大変だ。
たくあんを網で焼いたり、納豆を釜で炊いたり、生卵を刻んでみたりしちゃってる。もちろん、どのメニューにもマヨネーズを「これでもか」とブッかける。

「次は和食でござんす。残したら斬るおっは~deマヨチュッチュ~でござんす」
「せめてマヨネーズ止めてよぉ~・・・・てゆ~か食べれるの?」

そしてソフトクリーム屋に突っ込んだデモンスラッグだけども、どっこい生きていた。当初の設定なら死んでるけど、中の人が大物なんで邪険に扱えないのだ。
さすがに無傷と言うワケには行かなくて、かなり痛々しいけど。

「もりもり・・・・左股関節を脱臼骨折しちゃったけど、勝負はこれからもりっ!!」
「・・・・・いや、病院へ行けよ」

ひゅっ・・・べちゃっ。。。。。いきなり黒い物体が飛んできて、豚騎の頬を掠めて瓦礫に当たる。しかも飛んできた物体は、良く見たらウンコだった。
思わず「ぶひぃ~!?」と叫びながらデブ的に目一杯の素早さで飛び退く!!そこへ次々と、2波3波のウンコが襲来!!ギリギリで避ける豚騎!!

「ぶひぃ~~~~~~っ!?!?何事ばいっ!?!?」
「ウキキッ!」
「・・・・・・・・ぶひ?」
「ウキ~ッ!改めて勝負だウキッ!」
「ぶひ?誰だぶぅ~?・・・・てゆ~か、ウンコ投げんの止めんしゃいっ!!」

ちょっと離れた木の枝に、コントで使うサルの全身タイツを着たつよぽんがいた。サルの扮装なんだけど、頭には偉そうに髷を結っている。
そして、下半身は相変わらず露出してた。そんな謎キャラが、ケツに手を当てながら「う~ん」ときばり、やがて4個目を捻り出すなり投げる!!
どうにかこうにか避ける豚騎!!マスクとスーツの下が、冷汗と脂汗でダックダクになってしまった。

「ウキキ!ウツボ・ゼンラーフォーム改め、ヒデモンキーだウキキッ!」
「ぶひ?ウツボが、何でエテ公に?・・・てゆ~か、ウンコ投げんの止めんしゃいっ!!」
「ウキキキ!元ネタは『太閤記 サルと呼ばれた男』だウキッ!」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%96%A4%E8%A8%98_%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%94%B7
「ブヒィッ!!それで良いんかぶぅ~!?ウツボの方が、敵ながらマシだぶぅ~!!」
「ウキキッ!喰らえっ!」
「ブヒィ~~~~~~~~~~~ッ!!!」

5個目のウンコを、捻って投げる!!絶叫し、どうにか避ける豚騎!!

「だから、ウンコ投げんの止めんしゃいっ!!人としてダメだぶぅ~っ!!」
「ウッキッキッキ!・・・・・・・・ウキ・・・」
「ブヒィ~ッ!!恥ずかしくないのかぶぅ!?親が見たら泣くぶぅっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウキ・・・・」

漸く我に返ったらしいヒデモンキーは、木から降りて手頃な鏡状の物で自分の姿を眺め、心底ガックリしちゃったみたいに落ち込んでしまった。
そして何処からともなくハマグリの被り物を取り出し、それを被って「私は貝になりたい」と呟いて、座り込んだきり黙ってしまうのであった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%81%E3%81%AF%E8%B2%9D%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84(注:主演じゃないけど)
ってな感じで、すったもんだしてるところへ・・・・パラパラパラと白い粉みたいなモノが一同に降りかかり、ちょっと口に入っちゃったりもした。
何事かと風上を見たらダークローチが立っていて、何時の間にやらボッサボサに伸びた髪を掻きむしってる。

「ゴキ~!俺も進化したゴキ!その名もダークローチ・キンダイチ!!」
「ぶひぃ?金田一?」
「ってゆ~事は・・・・・・・・・・・フケかっ!?」
「や~~~~~~だ~~~~~~~~っ!?ばっちい~~~~~っ!!」
「口に入っちゃった!!ぺっぺっ!!おえええっ!!」

赤髪海賊団は大慌てで風上へ逃げようとするんだけれども、ダークローチ・キンダイチはゴキブリだけに動きが素早い!!巧みに風上に回り込んでは、ボリボリと頭を掻いて
フケを飛ばしてくる!!気持ち悪くて仕方ないんで、身体中をパタパタして払い落としたり、蹲って咳き込んで口に入っちゃったのを出したりする!!

「♪べごむバウドがゼーブだっだり~~♪柚餅子バンチで夢がらざめだり~♪ダッヂずんぜん一髪虐天~~~!?」
「ぐああああああああっ!!!1番タチ悪い奴がっ!!」
「くそおっ!!変身できればっ!!」
「もう嫌ぁ~~~~~~っ!!!」
「ブヒィッ!!どうすりゃいいぶぅ~っ!?」

色々な意味で元凶のロイヤル超音波が、相変わらず響きまくっている!!ちなみに今度は『弾〇ファ〇ター』って曲だけども、相変わらず何を言ってるのか解らない。
また変な副作用が発生して、他の奴等が進化しちゃったら大変だ。てゆ~か聴くに堪えん。だが攻撃しようと手を耳から離そうもんなら、物凄い破壊音波に聴覚を襲われて
気が狂いそうになる!!その間にも、キノコ男・卍が斬りつけてくるし、サーモスキート・ザトーイチがメシを作ってるし、ヒデモンキー・ハマグリが全身から放ってる
暗いオーラで気が滅入るし、ダークローチ・キンダイチは大量のフケを撒き散らしてくる!!デモンスラッグは、特に実害は無いけど鬱陶しくて嫌だ!!
中の人達が国民的アイドルグループで【イケメン補正】かかっちゃったんで、さすがの赤髪海賊団も事態を打開する突破口が見つけられない!!ただ翻弄され悶絶するばかりだ!!

と、その時。

原チャリのエンジン音がバタバタバタバタと接近してきて停まった。ふと見たら、あれこれ荷物を満載したリヤカーを牽引したスーパーカブから、おっさんがスックと
降りてヘルメットを脱ぐ・・・・その顔を一目見た伊達夫妻は、驚きでポカンと口を開けた。だがそれより、S●APのメンバーの方が酷く驚愕してた。

バババ~ン!! 角刈りヘア!!
バババ~ン!! ぶっとい眉!!
バババ~ン!! ものっすごい目力!!
バババ~ン!! ごっつい鼻!!
バババ~ン!! ごっつい唇!!
バババ~ン!! 『龍神うどん』のロゴが書かれたTシャツ!!
バババ~ン!! 袖から覗く、逞しい腕!!
バババ~ン!! 白い前掛け!!
バババ~ン!! 白いズボン!!
バババ~ン!! 長靴!!

颯爽と登場したのは、龍山剛太郎!!ヘルメットを無造作にバックミラーへ引っかけ、首に巻いてた手拭いを取って頭にキリリと巻きつけ、太い腕をグッと組んで、
赤髪海賊団とS●APを睨み据える!!気迫に圧されて黙り込む一同!!途轍もなく長く感じる数秒が過ぎ、やがて龍山が、おもむろに口を開いた。

「皆そこまでだ・・・・・・・・・・・その喧嘩、俺が預かる!!」
「龍山さん・・・・遥です」
「妙な胸騒ぎを感じて来てみりゃ、この有様か」
「・・・・・・・・・龍山・・・・さん」×6
「中蚯蚓、木野子、稲垣、草彅、蚊取、蛞蝓・・・・久しいな」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「極楽に来てまで、こんな事してるのか。相変わらずだな、悪ガキ共」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ロイヤル~・・・・・何故、俺達だと解るんだよ?こんな姿なのに」
「解るさ。どんな姿になろうと、オマエ達はオマエ達だ」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「こうして再会したのも、何かの縁。ヤンチャは卒業して、俺の店で働かないか?」

暫し沈黙。やがて・・・

「もりもりっ・・・・・もう遅いもり」
「ロイヤル~・・・何だよ、おやっさん・・・いや龍山さん!!
 中途半端に俺等に関わって、中途半端に心を開いときながら、急に居なくなっちまって・・・・」
「私は貝になりたい・・・・今頃またノコノコ出てきて、俺の店で働けだと!?」
「ぶっちゃけ、無理ってもんだ!!」

龍山は、無言で腕を組んでS●AP達の抗議の声を聴いていたが、やがて重い口を開いた。

「その事に関しちゃ、詫びの言葉も見つからねえ・・・いきなり死んじまって、
 オマエ達の事が心残りで仕方なかったが・・・如何せん極楽じゃ、手の出しようが無かった」
「ゴキ~・・・蛞蝓の言う通り、もう遅いんだよ龍山さん!!
 あんたが急に消えちまって、俺等は心の拠り所が無くなって・・・・こんなカイゾー人間になっちまった!!」
「私は貝になりたい・・・・・色々あって極楽に来たけど、ロクな事ありゃしねえ!!何処でも嫌われ者だ!!」
「ぶっちゃけ、嫌われ上等だ!!」
「こうなったら、極楽でも暴れまくってやるおっは~deマヨチュッチュ~でござんす!!」
「ばかもおおおおおんっ!!!!!!!」(←お手数だけども、大きな字にして下され)
「!?」×6

黙って聞いてた龍山が、ごんぶと眉毛を「これでもか」と吊り上げて一喝!!迫力に圧されて、S●APも赤髪海賊団もビクンと身体を痙攣させた。

「オマエ達の、やり場のない怒りは、俺だけに叩きつけろっ!!全て受け止める!!
 ただし・・・・・地上での役割を終えた人々が穏やかに過ごす、この極楽を荒らす事だけは許さんっ!!」

一瞬たじろいだS●APだったけども、やがて開き直って食ってかかりだした。

「けっ、知った事かおっは~deマヨチュッチュ~でござんす!!」
「もりもりっ!!今さら、あんたに付いてく気は無いもり!!」
「ぶっちゃけ、ついでに切り刻む!!」
「ロイヤル~・・・・あんたと赤髪海賊団とやらを手始めに潰して・・・極楽を乗っ取る!!」
「それで良いのか?・・・・・『バカを卒業して平穏に暮らす』って選択肢は無いのか?」
「ゴキ~!!所詮、俺達は嫌われ者!!」
「私は貝になりたい・・・暴れる以外に何も無いゴキ!!」
「そうか・・・・・・・・・・・・・・穏便に済ませたかったが、そうも行かないようだな」

龍山は悲しみと決意を秘めた光を瞳に宿しながらS●APを見据え、前掛けのポケットから、小麦のマークが描かれたカードデッキを取り出した!!
愛車スーパーカブのバックミラーに向けて力強く突き出したら、ベルトが飛び出して反転して腰に巻き付く!!

「・・・・・・・・・・・・・・変身っ!!!!」

ジャジャジャジャ~ンッ!!マスクとスーツが飛び出して装着され、龍山剛太郎は仮面ライダー虎武魏(こむぎ)に変身を遂げた!!
テレビ本編での「新しい仮面ライダーの初変身シーンですよ」って感じで、『ババ~ン!!』なんて効果音と共に様々な角度から虎武魏の姿がアップで映される!!
ちなみに、基本カラーが小麦色で額とカードデッキに小麦を象ったマークが描かれてる以外、マスクとプロテクターのデザインは龍騎と全く同じである!!
そしてグッと拳を握り締めてS●APを睨み据えながら、ぶっとく良く通る声で「来いっ!!」と叫ぶのであった!!


☆☆☆☆これが仮面ライダー虎武魏だ!!☆☆☆☆

龍山剛太郎が、遂に仮面ライダーになったぞ!!願いは悪い子の更生だ!!

身長:185cm
体重:90kg
走力:100mを6秒
垂直ジャンプ:35m

パンチ力:350AP(龍騎サバイブ以上)
キック力:400AP(龍騎ノーマルと同じ)


・マスクとアーマーのデザインは、龍騎と同じだ。違うところと言うと、基本カラーが小麦色な事。
 額とカードデッキに、小麦を象ったマークが付いてる事。あとは左手の召喚機が丼みたいな形をしてる事だ。
 いちいち考えるのが面倒くさいし、考えついたとこで文章だけじゃ表現できんから、これでいいのだ!!

・ちなみに≪虎武魏≫って字に、意味は全くない。単に、無駄にカッコ良さそうな当て字にしただけだ。
 トラのモンスターと契約してるワケじゃないし、武者の要素も無い。まして三国志を彷彿させるような設定など盛ってない。


◎契約モンスター◎

名称:ジャック・オブ・ストロウ

名の通り、藁人形のモンスターだ。だいたい2m半くらいで、武器は巨大な釘だ。
特殊技能として【憎い相手を100%呪い殺せる丑の刻参り】を使えるぞ。
契約者が熱く真っ直ぐな人なのに、契約モンスターは陰湿だ。


◎技と所有カード◎

根底に【愛】がある為、使うは拳のみ。それも頬か脳天への一撃のみで、ボディーブローとかアッパーとかは使わない。
それゆえ所有カードは、アドベントとファイナルベントのみだ。その2枚にしたって、使うかどうか解ったもんじゃない。
スポンサー泣かせな人だぜ。てゆか、ミラーライダーの根底を覆してるぜ。

・アドベント:ジャック・オブ・ストロウを召喚する。
・愛の鉄拳(カード不使用):うどん打ちで鍛えた腕力で放つ強力パンチ。悪い子に炸裂するぜ!
・情熱の説教(カード不使用):とにかく熱く語るぜ!一生、心に残るぜ!
・熱き涙(カード不使用):感極まったりすると、勝手に溢れるぜ!
・かけうどん(カード不使用):身体はもちろん、凍てついた心さえ温めるぞ!関東では珍しく、揚げ玉が無料だ!

◎ファイナルベント◎

降魔(ごうま):攻撃力5000AP。ジャック・オブ・ストロウと合体。空中から突撃して、巨大な釘をはめた拳でパンチを放つ。
        ここだけの話モンスターとファイナルベントは、ワンピースに登場する“魔術師”バジル・ホーキンスをパクった。
https://cdn-image.pf.dena.com/fa9c327e33426cd5e3dff097aa3feee754c90f9a/1/56728ab5-0b03-30a1-bebc-ca7c6ff94b3d.png

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 

ゾルダⅡ世・トン騎の結婚編24の4~5話先のネタ?

 投稿者:仮面歩行者  投稿日:2016年 5月 4日(水)15時09分50秒
返信・引用
  > No.651[元記事へ]

小津屋敷の崩壊によって、床下から発見をされた文献=『薩陸村悲話』に眼を通した真司は、大きな溜息をついた。

「薩陸村を離れる前に、【涼村暁之進作・戦場の女神像】を拝みたい。・・・そう言うワケなんだな。」
「ぅん!どんな石像なのか見てぉきたぃしぃ~~!」
「私の窮地を救ってくれたワケですから、礼は伝えたい・・・ジャンヌだ。」
「キリシタン弾圧って事は、今から400年前の歴史有る作品ですからね。・・・亜美で~す」
「なぁ、燕真?オマエも行くのか?・・・城戸だ!」
「あぁ!紅葉や平山さんが行くなら、保護者として、着いて行くしかないと思ってる・・・佐波木です」
「保護者の自覚があるなら、少しは保護者らしくしてくれ!
 オマエがシッカリしないから、オマエの派閥の連中が全員野放し状態って理解してるのか!?城戸だ!」
「何とか頑張るよ!・・・まぁ、そんなワケで、俺達は此処からは別行動をさせてもらうから、
 真司達は先にデブのカレー屋に向かってくれ!」

猛獣のような紅葉を筆頭に、全く役に立たない燕真や、ザコのクセに無駄に存在感を発揮している亜美&ジャンヌが別行動をしてくれるのはしてくれるのは非常にありがたい。この4人(特に紅葉)が居なくなるだけでも、今後のストーリーは、かなり円滑に進むようになるだろう。
・・・が、一抹の不安もある。今章のメイン軸が、そのまま紅葉達に移ってしまう可能性があるのではないか?
今章開始後、未だにスタート地点から動いていないのに、更に、足止めをされるパターンに成り兼ねない予感がする。
真司やデブが目的地に向かう描写が2割、萌獣の描写が2割、残り6割が紅葉達の冒険活劇。場合によっては、特に描写も無く、気が付いたら、デブの実家でカレーを食ってるシーンになっているとか・・・。

「面白そう!私も、ジャンヌの勧誘も兼ねて、紅葉ちゃん達の別行動班に入ろうかな!」
「おぉっ!美穂も、着ぃてきてくれるのぉ!?」
「私の勧誘とは一体?・・・ジャンヌだ!」

しばらく黙って「今後の方針」を聞いていた美穂が、真っ先に紅葉グループに入りやがった。もしかして、この女、嗅覚を働かせて、どっちのチームがメインになって、出番が与えられ続けるかを見極めたのではあるまいか!?

「オマエ等だけでは不安だ!メインのクセに、山中で迷子に成って、今章終了とかありそうで怖い!!
 仕方がない!!俺も行く!!・・・城戸だ!」

そんなワケで、【涼村暁之進作・戦場の女神像】を拝みに行く真司&美穂&ザムシード組と、【デブの実家】にカレーを食いに行く石松&吾郎&あきら&優衣に別れることになったのだが・・・

「チョット、現実問題的に、行きにくいです・・・あきらです」
「俺も同じ事を考えていたっす。石松さんの実家、実は関西や北海道だったって事になりませんか?」
「ぶひぃ!!?今さら!!?」
「それ良いね!英くんの実家は北海道のカレー屋さんにしましょう!」
「ぶひぃぶひぃ!!7~8年前の初登場から、九州弁っぽいのを喋っているのに、今さらばい!?」
「なら、台詞と設定を書き直せば問題ありませんね・・・あきらです」
「勘弁してくれ~~~・・・・・・・・・・・・・・・作者だ!!」
「仕方ないっすね。時間稼ぎの意味も含めて、みんなで御参りに行きましょう!」

・・・と、まぁ、この様な経緯があって、結局は全員で【涼村暁之進作・戦場の女神像】を拝みに行くことになった・・・・・・・・・・が。





―一刻半後・薩陸山の山頂付近―

「異国の者達だべさ!!」
「沢山いたぞ!!」
「引っ捕らえろ!!」
「お代官様に差し出せば、たんまりと褒美を貰えるに違いない!!」

真司&美穂&ザムシード組&&石松&吾郎&あきら&優衣は、洞窟に隠れて、追っ手の村人達をやり過ごす。逃走中にあきらが転倒して捕まりかけた時はかなり焦ったが、吾郎とデブが、村人をブン殴って、辛うじて救出をしてくれた。

「何処に行っただ!?」
「あっちさ、探してみるべ!」
「んだ、んだ!」

村人達は、洞窟には気付かずに、獣道を通って茂みの中に潜り込んでいった。それぞれが、斧や鎌や鋤を持っていて、眼を血走らせていて、真司達を殺す気満々って感じで、非常に物騒である。あと、薄汚い野良着を着ていて、下半身はフンドシ一丁で、頭には髷を結っていた。

デブの実家に行く為に、薩陸村の住宅街を通過したら、民家が藁や板を屋根にしたようなオンボロ小屋ばかりだった。あちこちで、家畜の牛が「モーモー」と鳴いている。最初は、「村内にこんな時代錯誤な地区なんてあったっけ?」と思った。

田んぼに突っ立ってポカンと口を開けて、真司達の通過を眺める村の男達は、皆が上半身は野良着で、下半身はフンドシ一丁だった。最初は「全員、伊達の配下か?」と思った。

だが、違った。村人の1人が「熊童子家来のバテレン人がオラ達の生き肝を取り来おった!」と捲し立てた途端に、農作業中の村男達の目付きが変わった。

しかも、「お光さん」と言う名の、あんまり可愛くない村の権力者の娘が「ワダシより綺麗な娘っ子なんぞ、生かしておくなだす!」と号令を掛けやがったもんで、村人達が、農耕具を手に取って、襲い掛かってきたのだ。言うまでもなく、美穂も、あきらも、紅葉も、亜美も、ジャンヌも、権力者の娘よりも数倍は美人だ。もちろん、優衣ちゃんだって、権力者の娘と比較して・・・・・・え~~~~っと・・・まぁ、それなりに、あれだ。

そんなワケで、真司達御一行様は、ワケも解らずに指名手配される立場になってしまった。

時は、今から遡ること400年前の江戸時代。徳川3代将軍の治世で、キリシタンへの弾圧が激しさを増している。日本人なんだけど、異国の格好をした(21世紀人の)真司達は、薩陸村の人々から、同じ人種とは見なされず、村に着いた途端に追い回されるハメになる。ジャンヌに至ってはモロにガイジンである。言い訳のしようが無い。つ~か、キリシタン扱いで追われているのか、美少女が沢山いるから目の仇にされているのか、よく解らん。とにかく、村男達の血走った眼が怖い。‘捕まりやすい’属性を持つ亜美や、露出狂のあきら辺りが捕まったら、多分その場で押し倒されて、村男達から鬼畜なエロビデオみたいな行為に及ばれてしまうだろう。つ~か、涙眼で逃げ回ってる亜美は、まぁ正常として、あきらは、ワザと逃げ遅れそうになったり、逃走中に転んだりして、まるで捕まることを望んでいるような気がしないでもないが・・・。

どうして、こんな事に成っているのだろうか?

崩壊した小津家を発ったのが3時間前。【涼村暁之進作・戦場の女神像】を拝見したら、【戦場の女神】像ではなく、剣を持って乳首に宝石がはめ込まれた【全裸の女体】像だった。涼村暁之進と言う男は、文献通りの男ではなく、ただの助平なのかもしれない。まぁ、古い文献だし、言い伝えが改変されることはありがちなので、これは良いとしよう。せいぜい、紅葉が【全裸の女体】を見た瞬間に、「ぎゃぁぁっっ!!燕真のヘンタイ!!見ちゃダメ!!」と言いながら燕真の両目を2本の指で突いて、燕真が「うぎゃぁぁっっっ!!」と、20分間ほどのたうち回った程度である。
そんで、しばらく拝んで、「さて、行こうか!」と思って目を開けたら、【全裸の女体】像が切削中の岩の塊になっていて、「ん?」と思いながら洞窟から出たら17世紀(江戸時代)だった・・・何故だ!?



-キャバクラ萌獣-

めふぃ子とベルちゃんは頭を抱えていた。不可能なはずの、疑似空間の続行と、異空間侵入の同時進行・・・つまり、疑似空間を抱えたまま、時の狭間への突入を試してみたのだが、やっぱり無理だった。ものの見事に失敗をしちゃった。

時の狭間に突入した瞬間に、疑似空間が反発をして、時の狭間から弾き出されてしまった。それどころか、変な時の捻れに乗ってしまい、気が付いたら、萌獣アジトビルの周りには、城下町のような風景が広がっていた。

「りんり~ん・・・ここは、17世紀の帝美江洲県・・・この時代の呼び方だと、帝美藩の城下町りん!」
「困っためふぃね。こんな所では、軍資金の荒稼ぎは出来ないめふぃ。
 私達のいるビル以外の全てが17世紀になってしまったのかしらめふぃ?」
「う~~~~~~~~~~~~~~ん・・・
 特殊バリアの影響で時空の歪みに潰されなかったこのビルと、
 標高が高くて時空の歪みに巻き込まれなかった薩陸山の山頂、
 あとは、この地に居るか解らないけど、時空干渉を受けない特異点が居れば、その人くらい・・・りん。
 後は疑似空間全部が17世紀になってしまったりんね。
 もちろん、日本遠征中のゼット姉達は、21世紀の残ったままりん。」
「21世紀に戻る方法は?」
「私達の科学力では無理りん!
 可能性があるとすれば、偶然この空間にいるかもしれない特異点を捜し出して、
 その人に協力してもらって、時の狭間を経由して、元の世界に戻るしかないりん」
「確か、薩陸村付近で、異空間に干渉した記録があっためふぃね?」
「うん!有ったりん!その線で捜索をするべきりんね。
 早速、メトリンちゃんの許可を貰ってこようりん!」
「・・・・・・それは・・・難しいめふぃかも」
「・・・・・・・・・・なんでりん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

めふぃ子、大きな溜息をついて、窓の外を眺める。メトリンやガッツちゃんやベムスちゃんやバードンちゃん等々、変化をした風景に興味を示した萌獣達は、揃って、サッサと城下町に遊びに行ってしまったのである。

「仕方がありませんめふぃね。メトリンさんには事後報告にするとして、
 修理が終わったばかりのクレゴンさんを連れて、薩陸村とやらに行ってみますめふぃ。」



-薩陸村-

数日前に夕子りんに干物のされて、そのまま旅館内で放置されて居たはずのミッチは、周りの風景を見て眼を丸くする。さっきまで、窓から湖が見える旅館の一室に転がっていたはずなのに、いつの間にか、だだっ広い田んぼの真ん中に立っている一本杉の枝の上に転がっていたのだ。旅館は影も形もない。
フンドシ族は、フンドシ力によって、時の狭間を自由に行き来できる。彼は、その能力(特異点)によって、時空の歪みに巻き込まれてしまったのである。

「どうなっているんだ?」

枝の上から辺りを眺めると、大きな御屋敷が一軒建っている。位置的には、小津屋敷があったはずの場所だが、その形は、光実が知る小津屋敷とは全然違う。
何がどうなっているのか全く解らないが、とりあえずは情報を収集しなければならない。光実は、スルスルと幹を伝って降りて、大きな御屋敷に駆けていくのであった。ちなみに、ミッチはフンドシ一丁なので、真司達とは対照的に、比較的アッサリと、17世紀の人々に馴染める事になる。

小津家は、室町時代(15世紀)から栄え始め、この時代(17世紀)には、辺り一帯の大地主になっていた。
しかし、度重なる飢饉や、戦(キリシタン弾圧によって発生した島原の乱)の為の徴兵で、村は貧困にあえぎ、小津家は、大地主とは名ばかりの、傾きかけた家になっていた。
当時の小津家の当主は、あんまり可愛くない娘のお光を、隣の外陸曽(げりくそ)村の村長・猿見田(さるみた)家の息子・牙萬(がまん)に嫁がせ、色々と援助してもらおうと考えていたのである。

え!?‘下痢グソを我慢してる猿みたいな顔’じゃなくて、猿みたいな顔をした外陸曽村の猿見田牙萬て名前の奴だったの!?



-その頃-

洞窟に隠れて村人達をやり過ごした真司達は、周囲を警戒しながら散策を開始する。村人に追われるのは嫌だが、だからと言って、洞窟内でジッとしているわけにはいかない。飯は、紅葉のYスマフォが有れば何とかなるだろうけど、紅葉のスマフォも含めて、全ての通信機器が『圏外』になっている。まぁ、江戸時代なんだから、当然と言えば当然だろう。はぐれてしまったら連絡を取り合うことが出来ないので、皆は一塊になって、慎重に歩き続ける。

ピ~ロロッピッピ~!・・・ピ~ロロッピッピ~!
突如、真司の携帯電話の着信音が鳴り響く。近くに村人が居て、この音を聞かれてしまったら大変だ。ビクッとして慌てて電話を取り出して着信に応じる真司。

「は、はい!」
〈おう、真司か?〉
「編集長?え!?もしかして、編集長もタイムスリップを?」
〈タイムスリップ!?何言ってんだオマエ!?〉
「気付いてないんですか?編集長達のパソコン、ネットとか繋がらないでしょ?」
〈ん?チョット待ってろ?・・・・・・・・・・・・・・・普通に繋がるぞ!
 おっ!ARASHUの大埜君の主演ドラマ‘世界一難しい鯉’の視聴率が右肩上がり、
 松純の主演ドラマ‘9.99’も好調キープだってよ!
 そんな事より、今、何処だ?直ぐに来れるか?
 尾名君とロシュオ君では、神崎さんの言う恋愛小説は書けん!直ぐにこっちに来て手伝ってくれ!〉
「いや・・・あの・・・直ぐに来いと言われましても・・・・今ちょっと・・・」
〈何だ、オマエ・・・また、ワケの解らない事に首を突っ込んでいるのか?〉
「あの・・・その・・・ちょっとばかり、別の時代に、首どころか全身を突っ込んじゃいまして・・・」
〈やれやれ!相変わらずバカだなぁ~!仕方がない!こっちは俺達で何とかする!
 オマエが暴走をするのはいつもの事だから大目に見るが、危ない事にだけは首を突っ込むなよ!!〉
「ははははは・・・・・・・も・・・もう・・・遅いです。」

プツン!・・・ツー・・・ツー・・・

通話を切り、大きな溜息をつく真司。廻りで様子を見ていた美穂や燕真も、その気持ちを察したらしく、声を掛ける事が出来なかった。
・・・・・てか、誰かツッコミを入れろよ!
「何故、21世紀にいる大久保の電波が、17世紀に届くんだ!?」と!!
宇宙にいても、別の時代にいても、何故か、大久保からの電話だけは、真司に繋がるようだ。

どうやら、大久保や神崎は、この時代には飛ばされていないらしい。17世紀に来てしまったのは、山頂の洞窟に来た真司達だけなのかもしれない。21世紀に戻る手掛かりは一切無いが、洞窟内でタイムスリップをしたのなら、もう一度洞窟に行けば、元の時代に戻れるかもしれない。可能性は極めて低いだろうが、一行は、山頂の洞窟に向かってみることにした。

しばらく歩いていると、自分達以外に、茂みの中をガサガサと動き回る音が聞こえてくる!追っ手の村人か、もしくは獣か!?一行が身構えようとした瞬間!!

「にゃはっはっは~~~!カワイ子ちゃんみっけ~~!!」

友人の亜美を庇うようにして立っていた紅葉目掛けて、素早く襲い掛かってくる人影が出現!!その者は、素早く紅葉の背後に廻り込み、一切躊躇うことなく、紅葉を抱きしめた!!

「にゃっはっは~~~~~!!!!
 発育途中の女子(紅葉)の、子供でも大人でもない体付き!!良き感触だぜぇ~~!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」

紅葉は、凄まじい金切り声を上げながら、背後から廻された腕を掴んで、渾身の力を込めて一本背負いで投げ飛ばす!!

「にゃっはっ・・・は・・・・はぅぁぁっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」
「・・・・あ!涼村さん!?」
「はぎゃっぅぁぁぁぁぁぁぁっっっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」

投げ飛ばされている真っ最中の男は、真司がよく知る人物=涼村暁だった!!・・・が、真司が気付いた直後には、紅葉に投げ飛ばされた暁は、真っ逆さまに谷底に落ちていくのであった。



-数分後-

とりあえず、1回死んで生き返った暁と合流した真司達は、お互いに「何故、こんな所にいるのか?」を話し合う。宇宙編で女体化した暁は、筋肉の愛人としてキングライナーに連れ込まれ、筋肉が去ってキングライナーの主がイケメン狩り軍団に変わったタイミングで、荒野に捨てられたらしい。気が付いたら男に戻っていた。なんのアテもなく荒野を彷徨い続けた暁は、やがて、謎の扉を見付けて、入ってみたら江戸時代の帝美藩の城下町に辿り着いたそうだ。

「・・・なぁ、美穂?当時のイケメン狩り軍団のリーダーってオマエだよな?」
「あ~~~・・・そう言えば、伊達が居なくなった隙を突いて、大幅な人員整理をしたわ。
 要らない子や、生意気な奴や、使い物にならない干物は、全部、電車の外に捨てたっけな。」
「・・・それは、酷すぎるだろう」

そんなワケで、17世紀の城下町に来た暁は、持ち前の適応力でアッサリと、この時代に馴染み、腕の立つイケメン剣士として、帝美藩に召し抱えられることになった。だがそれが拙かった。イケメンで長身で女好きな彼は、とりあえず、帝美城の姫君を口説いて手を出しちゃった。殿の側室何人かにも手を出しちゃった。そんな事情を知らない殿様は、暁に家老の娘との縁談を持ちかけた。もちろん、許嫁に決まった娘にもソッコーで手を出して身籠もらせちゃった。それを聞いた姫が激怒をする。お陰様で、姫とヤッたことや、側室と乱交したこと等々、全部バレちゃった。暁は地位も許嫁も捨てて脱藩したのであった。

「え~~~~~~~~~~~~~っと・・・あの・・・チョット待って!・・・佐波木です」

暁の武勇伝を聞いている途中で、燕真が口を挟む。

「アンタの名前って、涼村暁だよな?・・・佐波木です」
「あぁ!そうだが!」
「涼村暁之進って人と名前が似てるけど、兄弟か親戚か?・・・佐波木です」
「おぉ!なんでその名を知っているんだ!?涼村暁之進ってのは、俺の偽名だ!
 暁って名前じゃ、江戸時代の剣士っぽくないからな!」
「あの・・・涼村さん、念の為に聞くけど、涼村って・・・キリシタン?・・・城戸だ」
「いや、仏教!・・・てか、無宗教かな?なんで??」
「う・・・うん・・・チョットね」

真司&燕真は、所持していた文献『薩陸村悲話』をパラパラとめくって、涼村暁之進が脱藩した理由を確認してみる。文献には、「切支丹の弾圧から逃れて脱藩をした」と書いてあるが、どうやら違うらしい。涼村暁之進は帝美城城中の女達と不義密通を繰り返しまくって、バレたから逃げたのだ。言い伝えゆえに、ある程度の改ざんや誇張はあるだろうけど、ここまで違う事に成っているとは思ってなかった。

「そ・・・そりゃ、逃げるしかないわなぁ~・・・佐波木です」
「逃げてなきゃ、確実に切腹させられてるわね。」
「アンタ、この時代に来てまで、なんちゅ~ことをやっているんだ?・・・城戸だ」
「にゃっはっはっは!つい・・・な!
 だがな、こんな俺でも、少々困ったことになってんだ!
 つい最近、村の大地主の娘に付きまとわれちゃってさぁ~~・・・
 逃げ回ってるんだけど、どうにもしつこくて!」
「ブヒィ!大地主の娘?」
「・・・もしかして、お光さんて名前っすか?」
「そうそう、お光!
 スゲ~不細工なんだけどさ、この村(薩陸村)には、お光より可愛い子がいないんだから仕方ないよな!
 噂では、お光より可愛い子は、みんな、お光に捕獲されて、城下の色街に売られているらしいぜ!」
「・・・お光さんて、最悪だな。
 21世紀の薩陸村にハズレ娘ばかりが多いのは、アタリ娘の血筋が絶滅しているからか・・・佐波木です」
「でもさ、城から逃げ出して、女日照りになって、ムラムラして、
 つい、誰でも良い感じになって、お光に手を出しちゃったんだ!
 そしたら、その次の日から、まるでストーカーのように付きまとってきっちゃってさぁ!
 ありゃ、ザファイア以上にしつこいぜ!にゃっはっはっはっは!」
「・・・・・・・・・・・・アンタ、最低だな。・・・城戸だ」

なるほど・・・『薩陸村悲話』と現実が、だいぶ違うことは置いとくとして、後半だけで急に『悲話』になっちゃった理由は、その空白を真司達が埋めて『悲話』にしなければ成らないという【ミッション】らしい。
①暁に、鬼退治をさせる。もちろん名乗らせない。②暁とお光に仲良くしてもらう。③暁をキリシタンに仕立て上げて、外陸曽村の猿見田家の長男・牙萬を誘導して発見して貰う。④暁を死罪にする。
上記①~④で『悲話』を完成させた後で未来に戻らなければ、タイムパラドックスが発生して、未来の小津家で、仮面ライダージャンヌ・シャンゼリオンフォームが誕生しなくなってしまう。もちろん、暁を過去に置き去りにして、見殺しにするのは、歴史を改ざんしない為には仕方のないことだ。・・・てか、過去に来てまで女ったらしぶりを発揮している暁がムカ付くから、絶対に置き去り&見殺しにする!どうせ、忘れた頃に、当たり前のように未来で生き返ってるだろうけど、とりあえず死罪になりやがれ!

一同は、暁に鬼退治をさせた上で見殺しにする班と、未来に帰還する方法を探す班に分かれて、行動を開始するのであった。

 

仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編3

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2015年 4月 2日(木)13時50分39秒
返信・引用
  > No.468[元記事へ]

キィィ――――――・・・・――――――ィン

妖怪接近音が響く!赤竜は飢えているのか?こんな場所で奴が襲われたら成す術が無い!!
だが粉木と由依は、追いかけてる男を細かく観察してるうちに“異変”に気が付いた。

(・・・接近音に反応している!?)
(まさか、契約者?)

そうなのである。スーパーカブの男は、明らかに赤竜の接近に感づいてる様子なのだ。
やがて男は、適当な交差点を右に左にとクネクネ走り回って、路地に入ったとこでカブを停車させた。
道の両側には粗末な木造の民家がビッシリと並んでいるが、その窓は全て擦り硝子で何も映らない。
少し離れた正面に建ってる小さな雑居ビルの窓だけが、映すモノとしての役目を果たしてる。

キィィ――――――・・・・――――――ィン
  キィィ――――――・・・・――――――ィン

接近音が大きくなる。赤竜の巨体が、高々と吠えながら雑居ビルの窓の中を飛んでいる。
そしてカブの男は、明らかにビルの窓から赤竜が襲ってくると確信してるようだった。
窓の中を飛び回る赤竜をキッと睨み・・・懐からカードデッキを取り出した!!
粉木が愛車を跨いでサイドスタンドを立てるより早く、由依が飛び降りて男の元へ向かう。
その間に赤竜が、窓から飛び出して男に襲いかかった!!
だが男は、慌てず騒がずカードデッキを赤竜に向ける。 ☆ピカッ バァーン!!
カードデッキに弾かれた赤竜は、忌々しげに「グガァ――ッ!!」と嘶きながら窓の中へ戻った。

「・・・・・うひゃあ~~っ」

粉木はカードデッキを取り出したが、肝心の赤竜は、一旦諦めて飛び去ったらしくて気配が消えた。
あの男・・・他人を巻き込まない上に赤竜が飛び出せる場所を限定させる為に、この路地へ誘い込んだのか?
「パッと見た感じアホそうやけど、なかなか腹が座っとるし抜け目ないやっちゃなぁ」と粉木が思ってる間に、
由依が男の元へ駆け寄って訊ねる・・・行方不明の兄・史郎を探してるから、彼女も必死である。

「あなた・・・・契約者なの!?」
「・・・へ?・・・けいやくしゃ?」
「そのカードデッキ、門崎史郎って奴に貰ったんか!?」
「カードデッキって、この変な箱の事か?門崎史郎って誰だ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「俺、昨日“神隠し”の取材で向かったアパートで、これ拾ったんだよ!!」

男は興奮しきって喋りだす。聞けば昨日、世間で“神隠し”と言われてる現象に遭ったらしい男のアパートに行った。
・・・その部屋は、窓に鏡に戸棚のガラス戸まで“映るモノ全て”が、新聞紙で覆われてたそうだ。
異様な雰囲気に飲まれつつも調べてたら、床に落ちてた“箱”を拾った。その途端“鏡の中の世界”が見えるようになった。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・偶然だったんかいな・・・」
「しかも、あの化け物に襲われまくり!!」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうやら、鏡とか映るモノの近くに居ると拙いらしいな。あの部屋にも納得だ。
 あんた等、何か知ってんのか!?だったら教えてくれよ!!ワケ解んね~よっ!!
 くんくん・・・・ぅゎ~、くっさっ!!頭かぃぃ~~~っ!!参ったぜ、風呂屋にも行けねぇ!!」
「・・・忙しないやっちゃなぁ・・・」
「あ、そうそう。俺『御礼新聞』の嘉戸真治!!“神隠し”の真相を調べてんだっ!!」
「・・・なるほど、ブン屋だったんかいな」
「なあ!?契約者とかカードデッキとか、何の事だよ!?」
「・・・・知らん方が身の為や。悪い事は言わん、この件からは手ぇ引いとけ」
「そうは行くかっ!!俺はジャーナリストだっ!!・・・見習いだけど」
「食い殺されたら、一人前も半人前もあるかいな!ワシ等に任せて、引け言うたら引けっ!!」
「引かねえったら、引かねえっ!!・・・・あ、いけねっ!麗子さんに怒られる!!」
「あっ!?おいコラ、待たんかいっ!!」
「取材?・・・・ひょっとして、貴方の言う神隠しの?」
「聞いた感じ、そんな事件らしい!!じゃあなっ!!」
「頑固なやっちゃなぁ・・・」

嘉戸真治は慌ててカブに乗って、一目散に走り去った。忙しない上に、見た目に合わず頑固な奴だ。
粉木と由依も後を追いかける。赤竜は逃してしまったが、妖怪が出たなら倒して闇蝙蝠に与えなければならん。


―銀座の裏通り―

路地に駐車してるマツダR360クーペに、御礼新聞の女性記者・百衣麗子が戻って来て運転席に乗り込んだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BBR360%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%9A
その美貌と颯爽とした仕草に、通りすがりの営業マンが思わず溜息を吐きながら眺めてる。場所柄、働く女性は珍しくない。
ただまぁ美貌が群を抜いてた。それと「恋愛も結婚も興味ありません」ってオーラを発する凛とした雰囲気が、逆にそそられる。
実際24歳だから、この時代なら結婚していてもおかしくない。ついでだが、スリーサイズは上から87-61-85だ。
麗子はハンドバックからメモ帳を出して、調べて書いてきた事を読み返し、余りの謎ぶりに頭を捻った。
休憩に出かけたデパートの従業員が、それっきり消えてしまったのである。
不審に思った同僚が更衣室へ行ったら、ロッカーの扉が開けっ放しでハンドバックが転がっていた。
念の為に、彼女が常連としてる近所の食堂や蕎麦屋などへ行ってみたが、どの店も今日は来てないと言う。
ちなみに財布は、置き去りにされたハンドバックの中だ。仮に自分の意志で失踪したにしても、1円も持たず何処へ?
「ってゆ~事は、もしや誘拐か?」と警察を呼んで調べてもらったが、争った形跡も不審な足跡も見つからない。
つまり「ここで消えた」としか考えられない状況なのだ。しかも最近、この界隈で似たような事件が頻発してるのだ。

「神隠しか・・・・おとぎ話みたいだけど、そうとしか思えない・・・
 それより“あのバカ”何処ほっつき歩いてんだろう?とっくに合流してるはずの時間なのに」

あんまり戦力になってない後輩の事を思う。好奇心が旺盛で何にでも首を突っ込みたがるとこは、ある意味で買ってる。
だが時に暴走しすぎて『盆踊りの取材に行って、何時の間にか櫓の上で太鼓を叩いてる』ような事がある。

キィィ――――――――――ィィン・・・キィィ―――――――――ィン・・・

道端にビッシリと並んだ車の“ボディーの中”に、奇怪な化け物が現れた。そして、刻一刻と麗子の方へ!!
8本の脚をモゾモゾと不気味に蠢かせて歩く、その妖怪の名は【大蜘蛛】。だが、彼女は気が付いてない!!

キィィ――――――――――ィィン・・・キィィ―――――――――ィン・・・

遂に大蜘蛛は麗子の車へ移った。だが、契約者でも何でもない一般人である彼女は気が付いてない!!
大蜘蛛はボディーからフロントガラスへ移動し、不気味に唸りながら口から太い糸を吐き出した。
その糸はルームミラーから現実世界へ這い出して、麗子の首を目掛けてウネウネと伸びて行く!!

「・・・・・何これ!?」

ようやく気が付いた時、糸は既に首や腕へ幾重にも絡み付いていた!!懸命に解こうとしたけれども、絹のしなやかさと
鋼の強度を併せ持つ糸は、人間の力で解けるようなシロモノではない!!
そのままルームミラーへ引っ張り込まれそうになって、ようやく恐怖を感じて叫ぼうとする麗子!!
だが、糸が首に巻き付いてる所為で声が出ない!!
薄れゆく意識の中、彼方からバイクの排気音が接近するのが聴こえる・・・。
間一髪で間に合った真治は、スーパーカブを一直線にR360クーペの元へと走らせて飛び降り、
ドアを開けて麗子を拘束してる糸を懸命に引っ張った!!その背後で、スタンドもかけずに放り出されたスーパーカブが
ガシャンと派手な音を立てて引っくり返る!!

「麗子さんっ!!しっかりっ!!」
(・・・嘉戸・・・くん・・・・?)
「このっ!!離れろ畜生っ!!」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

麗子は必死に糸を解こうとする後輩の姿を見て声を聴き・・・そのまま気を失った。
一方、少し離れた所に愛車を停めた粉木は、ジャケットの内ポケットからカードデッキを出してバックミラーへ向ける。
飛び出したベルトが、反転して粉木の腰に装着された!!そしてバックルにカードデッキを嵌めこむ。

「蓮・・・ゴホッ・・・勘平っ!!」
「させるかいっ!!変身っ!!」

バックミラーから飛び出したマスクとスーツが、粉木の身を包む!!コードネーム:騎士に変身完了!!
騎士の姿はミラーへ吸い込まれて消えた。そして“鏡の中”で待機してる特殊バイク【弾丸号】に飛び乗って走りだす。
何処からともなく闇蝙蝠が飛んで来て後に従う・・・・程なく“鏡の中の銀座”へ到着し、弾丸号から降りて大蜘蛛の元へ。
風の如く駆けながら腰に提げてる刀【暗黒剣】を引き抜き、大蜘蛛に駆け寄るなり現実世界へ向かって伸びてる糸を両断!!
同時に強烈な蹴りを叩き込んで吹っ飛ばした!!現実世界の糸が、根っこを失って消え去る。

「こら妖怪っ!!オノレの相手はワシやっ!!」
「ギギギッ!!ギィィ――――――ッ!!」

食事の邪魔をされた大蜘蛛は怒り狂い、代わりに騎士を食い殺そうと向かってきた!!
1つ1つが人間の身の丈ほどある8本脚が、ウネウネと不気味に蠢いて、前脚2本が矢継ぎ早に騎士を襲う!!
暗黒剣で凌いでるが、パワー不足は否めなくてジリジリ後退。それを現実世界から眺めて歯噛みする真治!!

「あ~クソっ!!押されてんじゃんよっ!!」

倒した運転席のシートに麗子を寝かせてドアを閉めた真治は、ボディーに映ってる光景を見て焦れた。
そして何の気なしにボディーへ手を突いたら・・・・全身がズブズブと、ボディーの中へ飲み込まれていく!!

「え!?わっ!?何だこりゃっ!?・・・・わああああああああ~~~~~っ!!??」

現実世界と鏡の世界を繋ぐ【ディメンションホール】をジタバタもがきながら飛ぶ真司の姿が、甲冑を思わせるマスクと
スーツとプロテクターで包まれる・・・まだ妖怪との契約が済んでないので、基本能力で劣る【不完全体】だけれども。
やがてディメンションホールを突き抜けて鏡の世界へ到着。まず地面に尻をぶつけて「いててて」と呟く。
次に周囲と眺めて、文字の類が現実世界と反転してるのに気が付いて「ええっ!?」と言って暫し呆然とした。
そして最後に、傍の車に映ってる我が身を見て「どわああああああ!?」と叫ぶ。

「これって、まさか・・・・・噂の“仮面ライダー”か!?」

その間にも戦ってた騎士は、暗黒剣では埒があかないと判断。飛び退いて距離を空け、同時にベルトのカードデッキから
槍らしき武器の絵が描かれたカードを抜き、それを暗黒剣の鍔を展開して現れたスロットに装填する。
≪ソードベント≫  無機質な機械音声と共に闇蝙蝠が飛来し、自身の尻尾を模した武器【闇翼槍】を渡した!!

「これで、どうやっ!!」
「ギイ――――――――――ィッ!?」

突進してくる大蜘蛛!!騎士は怯むどころか風の速さで立ち向かい、擦れ違いざまに闇翼槍を一閃!!
大蜘蛛の右前脚が飛んで「ギギギィィ―――――ッ!!」と絶叫が響く!!

「なるほど、ああやって武器を・・・よっしゃ、俺も!!」

真治変身体は、無地のカードデッキから刀が描かれたカードを出し、左手に装備された召喚機に装填する。
≪ソードベント≫  何の装飾も施されてない見るからにショボそうな剣が、空から落ちてきて地面に突き刺さった。
暫し眺めてから意を決して引き抜き、形も何もあったもんじゃない屁っ放り腰で、剣を振り回しながら大蜘蛛に突撃!!

「喰らえええええええええええええええっっ!!!!!!!」

ブンッ・・・・・ボキッ!! ヒュルヒュルヒュルヒュル・・・・サクッ

「・・・・・・って、折れたあああああああああああああ~~~~~~っ!?!?」
「何やっとんねんっ!?妖怪と契約してないのかいなっ!?」
「け、契約?????」

離れた所に立ってた騎士に怒鳴られて、何の事かと首を傾げる。その隙を大蜘蛛に突かれ、爪の一撃をモロに喰らった!!
真治に気を取られてた騎士と激突!!揃って吹っ飛ばされて、アスファルトを転がる!!

「ぐはああああああああっ!!!」
「アヘェ~~~~~~ッ!?」
「ギイ――――――――――ィッ!!」

纏めて食い殺そうと迫る大蜘蛛!!手負いにされて気が立っちゃってるんで、余計にタチが悪い!!
真治変身体は思いきり腰を打って「あいたあ~っ!!」と呻いてるが、戦い慣れしてる騎士は受け身でダメージを半減して
直ぐに立った。まだ引っくり返ってる真治変身体を「邪魔や!!」と蹴っ飛ばし、自分も横っ飛びして大蜘蛛の突進を回避。
止まって方向転換して、再び突っ込んで来る大蜘蛛!!騎士はタイミングを計ってジャンプ!!捻りを加えた空中回転で、
大蜘蛛の頭上を飛び越えつつ闇翼槍を一振り!!大きな斬り傷が、背中にザックリと刻み込まれた!!
騎士は着地するなり向きを変え、闇翼槍を振るってダッシュ!大蜘蛛の右側の脚を、残らず斬り飛ばす!!
ガックリ傾く巨体!!さすがに怯んで悶絶する大蜘蛛を睨みながら、必殺技のカードを装填!!

≪ファイナルベント≫
「喰らえっ!!」

青空へ吸い込まれるかのように高々とジャンプ!!その後を追いかけた闇蝙蝠が、騎士の身体を翼でスッポリ包み込む!!
そして変形して巨大なドリルのような形状になり、高速回転しながら大蜘蛛に垂直降下!!
必殺技の【飛翔斬】が大蜘蛛の身体を貫き、爆発四散させた!!大蜘蛛騒動、これにて一件落着。

「帰るで」
「ん・・・・・ああ・・・」
「グギャ――――――――――――――――――――オッ!!!!」
「げっ!?」
「クソッ!・・・嫌なタイミングで出てきおるのっ!!」

大蜘蛛を退治して安心&疲れてた2人の隙を突いたかのように、最悪なタイミングで赤竜が襲来!!
とりあえず、一緒に走って逃げる!!騎士は「事のついでに、奴も」と思い、走りながらカードを抜いて装填した。
≪ナスティーベント≫ 機械音声と共に闇蝙蝠が飛来。赤竜の行く手を塞ぐようにヒラヒラと舞う!!

「耳、塞いどけっ!!」
「え、何だって!?」

ピキィィィ――――ィィィィィン!!!!  闇蝙蝠が、強烈な超音波を発して赤竜を牽制!!
忠告を聞き損なってた真治変身体も、まともに喰らって悶絶!!不快な音と頭痛がダブルで襲ってくる!!

「ぎぃぇぇぇ~~~~~~~~~~っ!!!!」
「だから言うたやろがっ!!」

そして赤竜はと言うと、少しだけ怯んだけれども直ぐに体勢を立て直して襲ってきた!!
しかも中途半端な攻撃を喰らった所為で、逆に闘争本能に火が付いてしまった!!
怒りの咆哮を上げながら上空を旋回し、急降下しながら口から高熱火炎の弾を何発も発射!!
ドカーンッ!! ドカーンッ!! ドカーンッ!! ドカーンッ!! ドカーンッ!!
ビル、アスファルト、車、標識・・・・触れたモノ全てが、焼き尽くされて爆発!!
2人は爆風に煽られて転げそうになりつつ逃げ回るしか術が無い!!

「こりゃ、あかんわっ!!使えるカードも少ないし・・・どないしよ?」
「ど、どうすんだよぉ~っ!?」
「気ぃ散るわっ!!黙っとれっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

思わず怒鳴り返したけど、正直な話すると騎士も成す術なし。残ってるカードは分身と盾くらいなのだ。
凄い奇跡でも起こらない限り赤竜を倒すのは無理である。そして更に。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・ 2人の身体の表面が、粒子のようになって蒸発。
鏡の中に留まっていられる制限時間が訪れてしまったのである。
「一旦退却や!」と判断した騎士は、咄嗟に最寄りのビルのショウウインドウへ飛び込んだ。
後に続いて、真治変身体も飛び込もうとしたが・・・ ガァ~~~~~ンッ!!! 弾き返された!!

「ちょ・・・どうなってんだよっ!?」
≪おまえは、まだダメや!!来た場所へ飛び込めっ!!≫
「き、来た場所・・・・・・令子さんの車!!」


―銀座の裏通り―

「・・・・う~ん・・・・・・?」

麗子が気絶から醒めたら、愛車の運転席に座ってた。気絶前の記憶が徐々に戻る。余りに突飛な出来事なんで
「さっきの事は夢?」と思ったが、ルームミラーで確認したら、頸に紐で絞められたような痕がクッキリ残ってた。
鏡の中から襲ってくる妖怪・・・引き摺りこまれ、おそらく喰われる・・・。
都市伝説程度に思ってた話が、事実だった上に自分が遭遇したワケなのだが、荒唐無稽すぎて信じきれない。

「・・・・・嘉戸くん!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ふと横を向いたら、嘉戸真治がビルの壁にもたれて失神してるではないか。慌てて飛び出して抱きかかえて、
名前を呼びながら揺さぶってみたけど、暫くは醒める気配が無い。
どうしようかと困ってたところへ、偶然に通りかかった通行人を装った粉木と由依が声をかけて来た。

「ん~・・・・どうしたんや?」
「大丈夫ですかぁ?」
「ありがとう・・・後輩が気を失ってるのよ。頭でも打ったかしら?」
「出血はしてへんなぁ・・・救急車、呼ぶか?」
「う~ん・・・とりあえず、私の車で会社に連れて帰って様子を見るわ」
「さよか・・・退いてみぃ。ワシが運んだる」
「ありがとう」
「姉さんの車って、コレか?」
「はい」

粉木は真治を抱き起こして肩に背負い、R360クーペの助手席まで運んで乗せてやった。

「御世話様でした」
「ええねん・・・ほな、さいなら」

手助けするだけしてから素っ気なく去って行くカップルを暫し見送ってから、麗子は愛車に飛び乗って
エンジン始動。取材は終わったし、真治を介抱しなきゃならぬので、御礼新聞オフィスへの帰路を行く。
粉木と由依は角を曲がったところで身を潜め、麗子が去ったのを確かめてから戻って来た。

「嘉戸真治くんか・・・カードデッキ持ったまんまだね」
「そやなぁ・・・」
「どうするの?」
「とりあえず、今は持たせとこか・・・
 気ぃ進まんけど、赤竜を誘き寄せる囮になってもらわな。まだ死なれちゃ困るわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「妖怪は、狙った相手を執拗に追う。奴を見張ってれば、赤竜は、きっと来る。
 御礼新聞て言うてたな。追いかけて、張り込みや」
「・・・・そうだね」

2人はドリームCB72に戻って跨り、銀座の大通りへ飛び出して麗子の車を追った。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
鏡の中の銀座通りで、散らばって漂ってた金色の粒子が徐々に集まって形を作る。
あっという間に元の大蜘蛛に戻り、更にその背中から、人の上半身のような姿の異形が現れた。
完全体となった大蜘蛛は、復活に要したエネルギーを補給するべく暗躍を開始する!!

・・・繰り返すが、この話は『仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編』と言う
100%オリジナルの話だ。何処かで見たような話だなどと言う、ワケの解らない言いがかりは聞く耳持たん。
 

仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編2

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2015年 3月26日(木)18時22分28秒
返信・引用
  ―1961年:花鳥―

『何を犠牲にしても叶えたい、たった1つの願い』について想いに耽る蓮・・・ゴホッ・・・
粉木勘平の意識は、何時しか過去へと飛んでいた・・・。

大阪で生まれ育った粉木が東京へ来たのは、かれこれ2年前だったか・・・。
生まれ育った街に、それなり愛着はあった。だが何となく「オラ東京さ行くだ」って気分になった。
天涯孤独の気楽な身なのも手伝い、アパートを引き払って最低限の荷物だけ持って、夜行列車でフラリと上京した。
そして住み込みで働ける仕事を転々としたり、適当な仕事しながら安アパートで暮らしたり。
友達を作るのが苦手で、趣味はバイクと映画鑑賞くらい。だいたい上京したとて、特に夢や目的があるワケでも無い。
そんな気楽なヤモメ暮らしを始めてから約1年。緒川絵梨との出会いは、ある日唐突に訪れた。

キッカケはドラマみたいにベタだった。思わず安田大サーカスが登場して例のネタをするくらいベタだった。
休日に公園をブラブラしてたら、愚連隊(今で言うDQN)が絵梨に絡んでるのに遭遇したのである。
粉木は幼い時から腕っぷしが強くて喧嘩っぱやく、素っ気ない割には変なとこで親切と言うヤヤコシイ性格。
ついでだが、映画館で赤木圭一郎の『拳銃無頼帖 抜き射ちの竜』を観た直後でテンションが上がってた。

「止めたれや、お嬢が困っとるやないけ」
「何だと、てめぇ!」
「痛い目に遭いたくなきゃ、引っ込んでいやがれ!」
「いい歳こいた兄ちゃんが、揃って格好悪いでぇ。
 ほれ、周りを見て見ぃや・・・・皆オマン等の事“ババを見る目”で眺めとるやないけ。
 『バカ』やのぅて『ババ』や。ジャイアント馬場とちゃうで~。大阪ではな、ウンコの事ババ言うねん」
「くっそ~、こん畜生!」
「やっちまえ~っ!」

てな流れで、一戦おっぱじまった・・・実に一方的だった。
愚連隊はタンコブだらけにされて泣いたり、吹っ飛ばされて電線に触れて骨格が透けたりと散々な目に遭い、
口々に「くそ~、覚えてろ~!」「おまえの母ちゃんデ~ベソ~っ!」と、捨て台詞を残して逃げてった。

「口先だけやのぅ、ラジオ体操にもならへんわ・・・大丈夫か?」
「はい・・・ありがとうございました」
「この辺あ~ゆ~アホ多いさかい、気ぃつけや・・・ほな、さいなら」
「あ、ちょっと!」
「何や?」
「お礼に、お茶くらい御馳走させて下さい」
「んな余計な気遣い、いらんわい」

遠慮したけれども、絵梨が引かない。結局は押し切られて、最寄りの喫茶店でコーヒーをゴチになった。
さて・・・店へ入ったは良いが、話が続かない。スピーカーから流れるザ・ピーナッツの曲を聴きながら、
向かい合った2人は無言で俯いて、モジモジしながらコーヒーを啜るばかりだった。やがて。

「私、緒川絵梨です」
「・・・粉木勘平や」
「大阪から来られたの?」
「そや」

って会話をキッカケに会話が弾みだした・・・聞けば絵梨は、粉木と同じく天涯孤独な身の上だった。
成績優秀だったので、奨学金で星命院大学へ通っているそうだ。粉木には何が何だかサッパリだったが、
柄島研究室なるグループに所属していて、門崎史郎と言う大学院生を中心に小難しい研究をしてるらしい。
他にも色々と話が弾んだが、絵梨がバイトに行く時間になってしまった。彼女は別れ際に頬を赤らめながら
「また会ってもらえますか?・・・ここに電話ください」と、破いたメモ帳に寮の電話番号を書いてよこした。

「絵梨ちゃん・・・・か。ええ娘やなぁ」

粉木はボ~ッと呆けた表情で、雑踏の中を足早に去って行く後ろ姿を何時までも見送った。
店を出た後も、絵梨の事が頭から離れない。ボ~ッとしすぎて電柱にぶつかったり犬の糞を踏んだりした。
ボロアパートに戻ってラジオつけたら夢路いとし・喜美こいしの漫才が流れたけれども、サッパリ耳に入らない。
挙句の果てには、銭湯でのぼせた・・・そして帰る途中、意を決してタバコ屋の赤電話をダイヤルした。
次の日から、粉木は人が変わったように真面目に働くようになった。
同僚から「核戦争の前触れか?」とからかわれた。実際『U-2撃墜事件』が発生して、米ソが一触即発となった。
だが粉木は、そんな雑音は一切無視した・・・夢も目的も無く過ごしてた東京暮らしに、一筋の光明が射したからだ。
2人の中は急速に進展していった。互いに忙しかったが、夜は必ず電話をした。
少しでも会える日は、嵐が吹き荒れようと会いに行った。数ヶ月も経ったら、絵梨が週末に泊りに来るようになった。
デートはもっぱら、当時の愛車だったホンダのベンリィCB92と言う125ccでのツーリングだった。
2人とも海が好きだったんで、休日は早起きして弁当を作って、お気に入りの海岸へと出かけた。
道路事情が酷かったり、元から中古のボロだったりした所為で、良く故障したりパンクしたりして押して帰った。

「・・・・すまんの・・・」
「気にしないで、私なら大丈夫だよ」
「もうちょっと待っとれや・・・来年ホンダから、250ccのカッコいい奴が出るねん。
 それ絶対に貯金で買うたる!そしたら、もっと快適やし、うんと遠くまで行けるでっ!!」
「うんっ!待ってる!」

そしてあの日も、何時もの海へと出かけた・・・・・
裸足になって波打ち際まで行ったり、呼ばれて振り返ったら水をかけられて「こいつぅ~!」と言いながら追いかけたり、
その時代の恋人っぽい事を一通りしてから、砂浜に並んで座って波を見つめた。暫く黙ってた粉木が、不意に絵梨に膝枕する。

「勘平・・・いきなり、どうしたの?」
「・・・いくつになっても甘えん坊~・・・」
「・・・・・・プッ・・・・・アハハハハハハハハハッ!!」
「・・あへぇ~っ」
「その口癖、何なのぉ~?」

何で急にそんな事をしたのか、今になっても解らない。その後「ぼちぼち帰るか」となり、珍しく故障もせず帰路をトコトコ走り、
通りすがりの中華料理屋でラーメン食ってから寮まで送って別れた・・・それが最後のデートだった。
2日後。早く仕事が上がったんで、一緒に晩飯でも食いに行こうかと星命院大学へ迎えに行った。
そして正門を通って駐輪場にベンリィを停めた時・・・ドオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
爆音が響き渡って、空気がビリビリ震える!!しかも、何度か行った柄島研究室の方角から!!

「絵梨~~~~~~っ!!!!!!!!」

一目散に避難する学生達の河を逆流し、校舎へ飛び込んで階段を駆け上がり、柄島研究室へと走った!!
そしてドアを蹴り開けたら・・・・・・・想像もしたくない最悪な光景が展開されていた。
メチャメチャに壊れて転がる机や椅子。倒れた棚。飛び散る資料に薬品・・・そして、床に倒れてる絵梨。
慌てて駆け寄って抱き起したが、どうにも手の施しようが無い。「ケガ人や!!救急車を呼んでくれ~っ!!」と、
廊下に向かって叫ぶのが精いっぱいだった。懸命に呼びかけたり頬を擦ったりしたが、瞳の光が段々と弱々しくなっていく。

「絵梨っ!?死んだらあかんっ!!絵梨っ!!」
「か・・・ん・・・ぺい・・・・わ、た・・・し・・・」

何か言いかけた唇が閉じられ、瞼も閉じられ、そして2度と開く事は無かった。ただ呆然とする粉木。
その真後ろに、何時の間にやらトレンチコートを着た不気味な男が突っ立っていた。
何度か話は聞いてた、門崎史郎だと直感した。そして・・・・

「キキ―――――――ィィィィィ!!!!」
「!?・・・・何やっ!?」

黒い巨大な蝙蝠・・・妖怪・闇蝙蝠が、門崎史郎に付き従うかのように飛び回っている。

「・・・・実験は失敗か・・・・」
「何やとっ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・願いを叶えたくはないか?」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
「俺の話に乗るなら、どんな願いも1つだけ叶えてやる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムカつく男である。何の実験か知らぬが、大事な絵梨を死なせてしまったのだ。
咽び泣きながら土下座して「申し訳ありませんでしたぁ~!!」と謝罪するのが普通の神経ではないか?
それが何で、上から目線で「条件を聞き入れたら願いを叶えてやる」などと抜かしやがりくさるのか?
憤怒の形相で立ち上がった粉木は、振り向きざまに鉄拳を振るった・・・・が、拳は宙を切った。
門崎は瞬き1つするかしないかの間に数mほど移動してる。今度は足元に落ちてた小瓶を拾って投げつけた。
だが結果は同じだった。次の瞬間には部屋の反対側の壁際まで移動していて、瓶は掠りもせず砕け散った。
門崎は、プラスチックのケースみたいな平たい黒いモノを粉木に投げる。反射的に受け止めて“ケース”眺める。

「闇蝙蝠と契約しろ」
「契約?」
「そして戦え・・・・・・最後の1人になった時、どんな望みも1つだけ叶えてやる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

つくづくムカつく男だが、絵梨を元通りにするには奴の話に乗るより他に無さそうだ。
粉木はケース・・・・カードデッキから【CONTRACT】と書かれたカードを抜いて、闇蝙蝠に向けた。
異次元空間に吸い込まれた粉木の周囲を闇蝙蝠が飛び回り、マスクとスーツで全身を覆われる。
無地だったカードデッキに闇蝙蝠のマークが浮かぶ・・・・・・・【コードネーム:騎士】が誕生した。
ちなみに絵梨は、搬送先の病院で呆気なく死んでしまった。これが例えば西暦2002年くらいだったならば、
進んだ医療で植物状態ながらも生きながらえて、夜な夜な病室を訪れて「・・絵梨」と呟くくらいは出来たろう。
だが如何せん、当時の医療技術では手の施しようが無かったのである。


―何処かの街角―

粉木は、ひたすら妖怪退治に精を出す日々が続いてた。まだ他の【契約者】とは遭遇していない。
どんな奴と出会う事になるやら?想像もつかない。そいつが問答無用で襲って来た時は、願いの為に戦わねばならん。
【契約妖怪】は、他の妖怪を倒して命を喰らう事で強化される。強い妖怪を倒すほど、自分も契約妖怪も強くなる。
その反面、契約妖怪を飢えさせると自分が喰われてしまう・・・・。
粉木は念願のドリームCB72を購入した。だが、タンデムシートに跨ってるのは別の女性である。
成り行きで門崎史郎の妹である由依と知り合い、共に行動するようになったのだ。
粉木と由依は今、闇蝙蝠を強化するべく【妖怪・赤竜】を追跡している最中だった。
最強クラスと言っても過言ではない赤竜を喰わせれば、闇蝙蝠は格段に強くなる。そして契約者とのバトルが有利になる。
都電が真ん中を占領して、オート三輪や軽自動車が行き交う幹線道路を走る、粉木のドリームCB72。
その前方を、50ccのスーパーカブが走っている。前輪のカバーに【御礼新聞】と書かれた旗をバタバタさせていて、
見るからに人の良さそうな若い男が運転してた・・・赤竜は、その若い男を獲物として付け狙っていた。


―首都高をツーリング中のバカ共―

「やっぱり粉木じいさんが蓮ポジションじゃんっ!!!最初の方で『蓮・・・ゴホッ・・・』て言ってるじゃんっ!!!
 いくら『当時の風景・風俗を描写したり、要所でカンペーさんの持ちネタ入れてそれっぽく表現しましたよ』みたいに書いてもダメッ!!!
 てゆ~か、どう見ても俺モチーフの奴が出てきたっ!!!」
「鳩ポッポ・・・・さっきから、どうしたの?熱でもぁるの?」

堪りかねて明後日の方向にツッコミを入れる真司。何故に、そんなに怒ってる?気でも狂ったか?
粉木が蓮のポジション?真司がモチーフのキャラ?・・・何の事だ!?毎回毎回しつこいぞっ!!
これは『仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編』と言う、100%オリジナルの話だ!!
 

仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編1

 投稿者:ゾルダⅢ世  投稿日:2015年 3月24日(火)14時49分33秒
返信・引用
  ―プロローグ―

色々と大失敗をやらかした燕真と紅葉は、ちょっと気まずそうにYOUKAIミュージアムへ戻って来た。
「じいさん、怒ってるかな?多少の説教は覚悟しなきゃ」と思って扉を開けようとしたら、施錠されてて開かない。
ひょっとして、自宅に居るんだろうか?燕真と紅葉は、ミュージアムの隣にある粉木宅へ向かう・・・・・。
ほら、やっぱりだ!玄関ドアを開けたら、明らかに怒った顔で腕組みした粉木が立っていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・た、ただぃま・・・」

粉木はスゥ~っと大きく息を吸い込んで一拍置いてから・・・

「バッカモォォォォ~~~~~~~~~~~~ンンンッッッ!!!」
「・・・・ぐっ!」
「・・・ひゃぁぁぁぁ~~~~~っ・・・・」

同時にカメラが粉木宅の外になり、建物が“サザエさんのエンディングで磯野一家が飛び込む小さな家”みたいに
ボヨヨヨ~ンと揺れた!!これは、かなり拙い!!想定してたよりも、遥かに怒ってるじゃん!!
粉木の気迫に押された2人は、思わず気をつけしてギュッと目を閉じる。

「とりあえず、上がれっ!!」
「・・・・・・・・・・・はい」×2

言われるまま、見えない手錠で繋がれたかの如く居間へと連行されて、並んで床に正座。
絨毯ひいてあるから良いが、床に直だったら地獄である。粉木はキッチンで自分の分だけ茶を淹れて戻り、
ソファーに腰かけて茶を啜りつつ2人を睨む・・・迫力に圧倒された2人は、借りてきた猫みたいに大人しい。

「燕真っ!!」
「・・・・・はい・・・」
「仮面ライダーの変身者って自覚が無いんかいな!?今回の失敗は、オマエの責任やっ!!」
「・・・・・・・・」
「どうすんねん!?彼岸カバー割りよるし、カマイタチ逃がしよるし、彼岸カバー壊しよるし!!」
「・・・ごめんなさい」
「【閻魔GEAR】ちゃんと管理してへんから、こないな事になるねん!彼岸カバーどうすんねん!?」
「・・・・・・・・・・・・」
「お嬢が持ち出してたのが、不幸中の幸いやっ!!
 そこらの子供が持って行きよったら、もっとエライ事になっとったでっ!!
 まだまだヒヨッコとは言え、仮面ライダーやろっ!!閻魔GEARは、命の次くらいに大事にせいっ!!」

全くの正論でグゥの音も出ないんで、燕真はひたすら「はい」「ごめんなさい」と言うしか無かった。
ちなみに【閻魔GEAR】とは、YOUKAIウォッチや和船ベルトの総称である。
傍で聴いてた紅葉は「どうゃら、怒ってる1番の理由ゎ九谷焼のカバーを割った事らしい」と判断し、
「それだったら悪いのゎ燕真で、私ゎ関係なぃ」と思った。怒声が途切れて茶を啜る音がしたのを幸い、
そっと立ち上がって、ペコリと頭を下げて帰ろうとした。

「ぉ騒がせしましたぁ・・・・さょぅなら・・・」
「何処へ行くねん、お嬢?誰が帰って良い言うた?座れっ!」
「・・・・ぅ・・・・」

逃がしてくれる気は無いらしい。迫力に圧倒された紅葉は、向き直って正座した。

「燕真が管理責任に欠けとったのは確かやけど、お嬢が勝手に持ち出したのも悪いでっ!!」
「は・・・はぃ・・・」
「閻魔GEAR舐めたらあかんっ!!誰にもホイホイ使えるもん、ちゃうねんでっ!!」
「・・・・・・・・・・」
「アレは玩具やないねんっ!!ワシも所詮は中間管理職やから、詳しくは知らんけどな。
 上のもんが燕真を適合者に選んだんは、それなりの理由あるねん!!2度と、手ぇ出すなっ!!」
「・・・・・はぃ・・・」
「お嬢が無茶しよったさかい、カマイタチ逃がしよるし、彼岸カバー割れてもうたがなっ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「またやりよったら、お嬢だろうとパチキやでっ!!彼岸カバー割れてもうたがなっ!!」
「・・・・もぅ絶対に、ゃりません・・・・」
「約束やぞっ!!また無茶やらかしよったら、出入り禁止やぞっ!!」
「・・・・はぃ、約束します・・・・」

その後も、粉木の説教は延々と続いた・・・内容を内訳すると、彼岸カバーを壊した事に対して6割。
仮面ライダーを名乗って戦う事の重さについて2割。カマイタチの封印失敗に対して2割ってとこだったろうか。
彼岸カバーどんだけ大事なんだろう?カマイタチを封印しそこなった事よりも、そっちに怒ってる。
粉木のマシンガントークは小1時間ばかり続き、2人はグッタリしつつ「はい」「はい」と返事しながら聞いていた。

「あ~・・・・あかん、あかん。何時の間にやら、彼岸カバーの話ばっかりしとったがな・・・
 わしが怒ってるのにはな、まだ理由があるねん」
「・・・・どんな?」
「あのな燕真・・・・オマエは、ワシの大事な仲間やねん」
「・・・・・仲間・・・」
「そや、仲間や・・・そんでワシはな、仲間が死ぬのだけは我慢できへんねん」
「粉木ぉじいちゃん・・・ひょっとして・・・・仲間が死んじゃった事ぁるの?」
「ああ。もう、だいぶ昔の話やけどな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「これだけは、キチーっと言うとく。耳の穴かっぽじって聞け」
「・・・ああ」
「なぁに?」
「2人とも、絶対にワシより先には死なんて約束せい」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「何で黙るんやっ!?何で直ぐに、一言『はい』って返事せんっ!?」
「わ、解ったよ。約束する!!」
「ゎたしもっ!!」
「絶対やでっ!!破りよったら承知せんぞっ!!」
「破らねぇよ・・・俺だって、まだ死にたかないもんな」
「ゃりたい事、ぃっぱいぁるもんっ!!」
「・・・・・・・・・・・・」

ここで説教が一段落。粉木は冷めた茶を啜り、海苔巻あられを口に放り込んでコリコリと食ってから、
ふと明後日の方に視線を移した。視線の先は、引き戸を隔てて粉木の寝室・・・
その奥にある、小さな仏壇を供えてる方を向いている。朝飯を貰いに来ると、必ず仄かに線香の香りが漂っている。
燕真は拝んだことが無いけれども、誰を祀ってるんだろう?確か前に、天涯孤独の身だと聞いたけど。

「じいさん・・・」
「何や?」
「あの仏壇・・・・ひょっとして、さっき話した“死んだ仲間”を?」
「そうや」
「・・・・・・・・・・・・」
「丁度ええ機会や・・・・ワシの昔話、聞くか?」
「・・・・ああ」
「聞きたい!」

これから“仮面ライダー”として戦い抜く為に、どうしても聞いておかねばならぬ。そんな気がした。
紅葉にしても、ここまで首を突っ込んじゃってるし、何より好奇心が大きかった。
粉木は何時になく真剣な表情で自分を見上げてる2人を眺めて軽く微笑み、キッチンへ行って茶を注ぎ足して
戻ってから、ポツリポツリと語りだした。

今、若き日の粉木勘平の話が明かされる時が来た・・・・・・
最初は粉木の一人語り風でチャチャっと済ませようと思ってたんだけども、色々と盛り込んだら長くなったんで、
普通に物語風の文体で書く事にする。少しばかり長いが、暫く御付き合い願いたい。
それから、たまに入る雑音(真司のツッコミ)は、適当に聞き流して下さいませ。


―本編開始―

夜の幹線道をバイクが疾走してる。乗ってるのは、言うまでも無く若き日の粉木勘平だ。
ノーヘルOKな時代なんで、少し長めの髪をピンピンと突っ立てた頭に、直でゴーグルだけ付けている。
防寒で米軍払い下げのMA1を着てマフラーをきつく巻き、下はジーンズに革ブーツ。
一説によると、この頃は「髪が耳にかかってたら不良」「ジーンズ履いてたら不良」だったらしい。
つまり“ド不良丸出し”って格好である。ちなみに愛車は、大人の事情によりホンダ製だ。
ドリームCB72と言う、当時の若い奴等の間で人気だった250ccのスポーツモデルである。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200705/11/32/b0076232_8185645.jpg
シフトダウンして左折。OHC2気筒エンジンの小気味よい排気音を響かせながら、終電が過ぎた駅前商店街に入った。
コンビニなどと言う便利な店が普及するのは遥か先の話なんで、こんな時間に開いてる店は居酒屋くらい。
軒先に赤提灯を提げた店から嬌声が漏れる他に、人通りは皆無と言っても良い。
脇目も振らず商店街を抜けて住宅街へ入り、粉木は愛車を道端に停めて、鋭い視線を前方に向けた。
20mばかり先を、勤め帰りらしい女性が1人で歩いてる。バイクの音を聞きつけた女性は、警戒するような表情で振り返った。
だが粉木がエンジンを止めてライトを消したんで、また前を向いて家路を急ぐ。ヒールの音がコツコツと響く。

キィィィ――――――――――――ン・・・・・ィィィ―――――――ン

普通の人間には聴こえない“妖怪接近音”が、粉木の耳にはしっかりと聴こえていた。女性を狙ってジリジリと接近してる。
粉木はキッと険しい表情になり、革パンツの尻ポケットに手を突っ込みながら呟いた。

「・・・・2度も3度も、させるかいな」

その数秒後、住宅街の通りがフラッシュを何十個も同時に焚いたような閃光に照らされて、直ぐに元の暗がりに戻った。
粉木は何処へ消えたのか?彼の愛車が薄暗い街路灯に照らされてポツンと停まってるばかり。
女性は何も知らず、鼻歌を唄いながら自宅へと歩いている。その直ぐ傍ら・・・・
普通の人間には見る事の出来ない異空間で、異形の戦士とモンスターとの死闘が繰り広げられていた。


☆アバンタイトル終了してオープニング☆

朝焼けに包まれて 走りだした 行くべき道を
情熱のベクトルが ボクの胸を 貫いてゆく

どんな危険に 傷つく事があっても

夢よ踊れ この地球(ほし)の下で
憎しみを映し出す 鏡なんて壊すほど

夢に向かえ まだ不器用でも
生きている激しさを 身体中で確かめたい

【仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編】←タイトルロゴ

☆オープニングが終わってCM(カラー放送は始まってるが、まだ大半が白黒映像)☆


1961年(昭和36年)の話である・・・・・
まだ貧しい時代だった。ろくに区画整理もされてない街に、現在の感覚では掘立小屋に等しい粗末な家がビッシリと並んでる。
ちょっと裏通りへ入れば、都心でも未舗装路が珍しくなかった。東京でさえ、場所によっては畑が広がって馬や牛が引く荷車が見られた。
つぎはぎだらけの粗末な服を着て、慢性的なタンパク質不足が原因で青白い鼻水を垂らした子供達。
庶民の月給は、4万円前後だったろうか?『車とクーラーとカラーテレビの3点を所有するのがステイタス』とされたが、無理な話である。
頑張っても軽自動車が買えればマシな方。前年に国産初のカラーテレビが発売されたが、庶民には夢のまた夢な値段だった。

でもまぁ、貧しいけれど活気に溢れた時代でもあった。

『一生懸命に働いてりゃ、そのうち暮らしが良くなる』と希望を持てたし、実際に少しずつだが所得は上がっていた。
世界に目を向ければ、4月にソ連の宇宙船ボストーク1号が、ガガーリン飛行士を乗せて世界初の有人宇宙飛行に成功した。
娯楽の王様は、映画とスポーツ観戦だったと思う・・・
力道山の空手チョップが悪役外人レスラーを打ちのめす姿に熱狂する人々。
石原裕次郎が演じる、挫折した若者の青春を描いたドラマ。
吉永小百合&浜田光夫コンビの純愛物に、植木等の喜劇・・・銀幕のスター達が、庶民に夢を提供する。
坂本九の名曲『上を向いて歩こう』が『SUKIYAKI』と言うタイトルで、アメリカのビルボード誌で1位を獲得する快挙を成し遂げた。
東海道新幹線と東名高速道路の2大事業を筆頭に、交通機関や道路のインフラが、急ピッチで進んでいた。
近代的なデザインのホテル等も次々と建てられる・・・3年後の東京オリンピック開催に向けて、国民が一丸となっていた。

だがこの年、行方不明者数が無視できないレベルになっていた。全く無かったと言う事は無いが、尋常でない人間が忽然と消えていた。
自ら失踪する理由が全く不明な人達が、何の前触れもなく行方をくらましてしまう。しかも、常識では考えられない消え方をしていた。
・・・幼子を待たせてデパートの試着室へ入った女性が、それきり出てこなかった・・・
・・・走行中の路面電車から、運転手と乗客が全て消えた・・・
警察では失踪事件として片づけられたが、それらは全て、異次元から訪れた【妖怪】の仕業だった。
都市伝説的に妖怪の噂が広がって、人々は本能的に「只事じゃない」と恐怖したが、だからと言って成す術も無い。
妖怪が持つ人智を超えた力の前に、人間は余りにも無力だった。

だが、救世主は存在した。

危機一髪で助けられた人達が語る“異形の妖怪ハンター達”の話が、じわじわと広がって行った。
「黒くて空を飛んでた」「緑色で、気障な口調だった」「紫色で狂暴だった」「胸回りの寸法が残念な女性だった」
どうやら“救世主”は複数存在するらしい。色々な目撃証言が錯綜して、彼等の正体はサッパリ不明だった。
たった2つ、共通点があった・・・・西洋の甲冑を思わせるマスクとスーツで素顔を隠し、未来的な高性能バイクに乗っている。
この特徴が元で、何時しか人々は異形の妖怪ハンター達をこう呼んだ・・・【仮面ライダー】

「仮面ライダーか・・・・ワシは【コードネーム:騎士】やから、仮面ライダー騎士か・・・
 ・・・語呂が悪いのぅ・・・そや!騎士を英語にして、仮面ライダーナイト・・・うん、悪うないな」
「どうしたの勘平?」
「何でもあらへん、独り言や」

ここは住宅街の中にある、小さな喫茶店『花鳥』の店内。成り行きで知り合った門崎由依と言う少女の叔母がオーナーだ。
掘立小屋みたいな粗末な家が大半だった当時にしては、かなり洒落た部類な造りの建物である。

♪I walk along the city streets you used to walk along with me♪
♪And every step I take reminds me of just how we used to be♪
♪Well, how can I forget you, girl?♪

エルビス・プレスリーのレコードが静かに流れる店内には、粉木と由依の2人だけ。今は休業中なのだ。
カウンター席に座った粉木は、由依が淹れてくれた紅茶を啜りながら、世間で噂の“仮面ライダー”に想いを巡らせていた。
何を隠そう、粉木は“仮面ライダー”の1人なのである。
尤も本人達は、自らを【契約者】と呼称し、互いの事はコードネームで呼んでいた。
契約者・・・
狙った妖怪を従わせ、その能力を引き出す事が出来る力を秘めた不思議なカードで、異形の戦士への変身能力を得た者の事である。
粉木は【騎士】のコードネームで呼ばれる契約者だった。契約した妖怪は【闇蝙蝠】と言う。
槍を主な武器としてるが、闇蝙蝠の能力を使った分身術や超音波攻撃を駆使したトリッキーな戦法を得意としている。
ちなみに契約者達は、自分達を正義の味方とは認識していなかった。皆それぞれ、どうしても叶えたい望みを持っている。
今の時点で何人の契約者が存在するのかは不明なのだが、彼等は“最後の1人に生き残って、願いを叶える為”に戦っている。
妖怪退治をしているのは、あくまでも自分の契約妖怪にエサを与える為。それが結果的に人助けになってるだけの話だ。

(絵梨・・・・・絶対に生き返らせて、幸せにしたる!)


―首都高をツーリング中のバカ共―

「コラコラコラコラァァ~~~~~~~ッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
 色々な意味で、ダメだぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッ!!!!!!」
「ゎっ!?ビックリしたぁ~・・・・ぃきなりどぅしたの鳩ポッポ?」
「何で、1号ライダー登場の10年前に、仮面ライダーが世間で認知されてんだよっ!?
 しかも、俺等の話と設定を丸パクリじゃねえかっ!!
 『当時の風景・風俗を描写して、それっぽく表現しましたよ』みたいに書いてもダメッ!!!
 てゆ~か、俺を殺すなぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!!!
 この流れじゃ、どう考えても“粉木さんの死んだ親友”って、俺じゃんっ!!!!」
「・・・変なのぉ」

堪りかねて明後日の方向にツッコミを入れる真司。何故に、そんなに怒ってる?気でも狂ったか?
龍騎の設定を丸パクリ?真司が死ぬ?・・・何の事だ!?言いがかりは、止めたまえ失礼なっ!!
これは『仮面ライダーザムシード外伝・粉木STORY激闘編』と言う、100%オリジナルの話だ!!
 

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